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Person of Interest's tagline

「Person of Interest」の意味

最近気づいたんですけど、英辞郎の「person of interest」の訳が少しおかしいんですよ。

person of interest

〔犯罪の〕容疑者 [補]suspectの婉曲表現。
英辞郎

いやいや、容疑者って言い切っちゃいかんでしょ(笑) 「person of interest」を文字通り訳せば「関心を寄せている人物」。誰が寄せているかは、この場合、もちろん捜査当局ですね。

例えば、よくニュースで、事件発生後に行方不明になっている人物とか居るじゃないですか。そんなとき

捜査当局はAさんが事件の情報を握っているとして関心を寄せている。

とか記事になったりしますよね。このAさんが「person of interest」。この場合、当局はAさんを事件に関係している人物・参考人として見ているわけですが、まだ容疑者ではないんです。

これは私の意見ではなく、Wiktionaryでもそうなっています:

person of interest

(警察)事件に関係している、あるいは事件の重要な情報を持っていると警察が信じるだけの根拠がある人物。しかし、その人物は起訴はされていないし、また公式に容疑者であると判断されたわけでもない。

(law enforcement) Someone who police have reason to believe may have a connection to a crime, or to possess important information relating to that crime, but who has not been accused or charged by authorities nor been officially deemed to be a suspect.

ほらね、たかだか参考人としか言ってないわけです。まあ、現実では容疑者であることも多いのでしょうけど。

PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット

さて、なんで私がこんな語彙を知ってるかですが、当然海外ドラマ『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』を見ていたからです。

『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』のオープニング画面
Person of Interest [Credit: CBS]

シーズン終盤にサメをジャンプしてしまいそのまま終了してしまいましたが、このドラマは、前半はものすごく面白くて、しかも近い未来にドラマの内容が現実で起こりそうと思えるストーリーだったんです。

『PERSON of INTEREST』のあらすじ

このドラマのプロットって、実は「person of interest」の意味が非常によく反映されているんですよ:

アメリカ政府はテロ事件を予知する人工知能「マシン」を作り上げます。マシンはネット上のすべての情報にアクセスでき、誰が犯罪を犯しそうか100%予知できます。しかし、開発者ハロルドはテロリスト犯罪だけにこの人工知能を使うのはもったいない(実際、一般市民の犯罪も予測可能だが、政府は関心なし)と考え、このマシンにバックドアを作ります。そして、定期的に自分の携帯に犯罪に巻き込まれると予知された人物の社会保障番号を送るようにしたのです(政府に気づかれずに送れるデータ容量は数バイト)。ハロルドは、元CIAのジョンの協力の下、マシンが知らせてきた人物が関わる事件を未然に防ぐべく行動を開始するのです。

つまり、マシンが知らせてくる人物は近い将来事件に巻き込まれるってだけで、加害者なのか被害者なのか、事件にどう関連しているのか、そもそもどんな事件なのか、全く分からないことがこの海外ドラマを面白くしているんです。

だーかーらー、この海外ドラマの題名は「person of interest」なんですよ。「容疑者」ではないんです。

それ故、英辞郎の「容疑者」という訳はこの海外ドラマの一ファンとしては許せないんです(笑) 多分、このドラマ好きな人には共感してもらえると思うけど、どうかな?

最後に

今回は「person of interest」の意味を見てみました。意味は「事件の参考人、当局が関心を寄せている人物」。

『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』は現在Huluで見られるので、よろしかったら見てみて下さい。最後はグダったけど、最初の面白さは保証しますよ! そして、できれば英語字幕で! それでは〜