最も視聴した海外番組

『ビッグバン★セオリー』の番組宣伝ポスター
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

私が今まで最も見た海外番組はシットコムの『ビッグバン★セオリー』だと思います。シーズン9までですが、最初から最後まで8回は繰り返して見ていますので。『ビッグバン★セオリー』マラソンもたまにやってたりしますw

個人的に今まで見た海外ドラマのエピソード数は1万以上ですけど、『ビッグバン★セオリー』のように繰り返し見た延べ数で数えれば、1万3千エピソード程度行ってるかもしれません(笑) 私のシットコム嫌いを直してくれた偉大なシットコムであり、英語字幕視聴のきっかけを与えてくれた海外番組。それが『ビッグバン★セオリー』。

最も視聴した海外番組のシーズン

それでは、これをシーズンで区切ったらどうなるでしょうか? 実は、これが『ビッグバン★セオリー』でなくなるんです。なんと『フレンズ』のシーズン1なんです(笑)

『フレンズ』の番組宣伝ポスター
Friends [Credit: NBC]

『フレンズ』のシーズン1は何も見るべきものがない週末とかに1日で見終われるのでちょうどいいのですね。約8時間。それで、かれこれ10回以上繰り返し見ています、ただ、何故か満腹感を感じてシーズン2以降はもういいやになってしまうので、毎回シーズン1だけ繰り返してみるという状況になってますけど。ちなみに『フレンズ』は最後までだと繰り返しで2回見てる計算。

不思議なもので、『フレンズ』が有名という噂で最初見た時は全く面白く感じなかったんですよね。私は『ビッグバン★セオリー』でシットコムの面白さに気付き、『フレンズ』もその後見返して面白く感じるようになった口なので、一度諦めた番組でも後になって見直すと面白くなってることがあることに気付かされました。自分が成長して番組の面白さに気づけるってことかもしれません。

最も視聴した海外番組のエピソード

それでは、これをエピソード単位にしたらどうなるでしょうか? 1話単独のエピソード。これが私の場合『フレンズ』ではないのです。『メンタリスト』の第一話なんですよ(笑) もう50回以上視聴していると思います。

『メンタリスト』の番組宣伝ポスター
The Mentalist [Credit: CBS]

以前も海外ドラマを英語字幕で見始めたきっかけで述べましたが、私は昔、地元のツタヤ等のDVDレンタル屋で海外ドラマをよく借りていたんです。そして、その当時はDVDを借りてくると無料で1話が付いてくるサービスがあったんですね。ある意味、撒き餌的なプロモーションとして(笑) その時は『メンタリスト』を大プッシュしてたみたいで、『メンタリスト』の第一話が漏れなく無料で付いてきたんですよ。そして、当時の私は既にそれを何回も見ているのにも関わらず、別のドラマを借りると付属してくる『メンタリスト』の一話をパブロフの犬のごとく毎回見ていたんです(笑) それほどこの第一話は素晴らしく、繰り返し視聴に耐え、非の打ち所がない完成された作品。それで50回以上繰り返して見ている計算なんですね。ただし、残念ながら、当時は英語は全く分からなかったので、全て日本語字幕だったんですけど。あの当時から英語字幕での視聴を始めていればと、今はちょっと後悔しています。

『メンタリスト』第一話の素晴らしさ

ところで、なぜ『メンタリスト』の第一話が素晴らしいかなんですけど、刑事モノドラマとしてフォーマットが完璧なんです。一点の曇もない。以下それを説明していきたいと思います。なお、『メンタリスト』を見たことない人は、以下は読まないほうが良いかと思います。

特殊能力紹介

まず、刑事モノドラマについて。どこにでも居る凡人の刑事が普通の事件を解いたり解かなかったりではドラマとして成立しないのは言わずもがな。そこで、刑事モノドラマでは通常主人公が何かしらの特殊能力を保持していることがほとんどになります。その能力(しばしば制限事項あり)を駆使して難事件を解決していくんですね。例えば『名探偵モンク』なら強迫性障害ですし、『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』なら数学と言った具合。そして『メンタリスト』のジェーンの場合は人間心理操作に長けているんです。

ただし、刑事モノドラマ第一話では、視聴者はその特殊能力が何なのか、発動条件、制限事項をまだ知りませんよね。そこで通常第一話では、メインの事件を解決する前に、視聴者へ主人公の能力お披露目のための小事件(アピタイザー)を解決することになります。

『メンタリスト』では、それがある夫婦の娘が殺害された事件なんです。

『メンタリスト』で、犯人が捕まって記者会見する夫婦を見守るジェーン
The Mentalist [Credit: CBS]

といっても、ジェーン一行が現場に着いたときには、既に近所の子供が容疑者として捕まっているのですが。

しかし、ジェーンは夫婦の細かいしぐさや、家族の写真等を観察し、妻が夫を疑っていることに気が付きます。そして、妻の直感を信じると言って、夫に直接「娘を殺したか」聞くんですね。ここの「How dare you?」は「てめえ、よくも言ってくれたな!」的な意味合いですが、実娘を殺したか聞かれた父親にしては言い方・表情的に「How dare you?」度が少ないのです。その夫の反応を見て、妻は直感するわけですね。そしておもむろに立ち上がると・・・。

ジェーン: Did you kill your daughter?
夫: How dare you?
ジェーン: I asked you a simple question, sir. Did you kill your daughter?
『メンタリスト』で、夫に実の娘を殺したか聞くジェーン
The Mentalist [Credit: CBS]

この冒頭のシーンは、ジェーンの特殊能力だけならず、型にはまらない性格等も簡潔に描写していて完璧。

宿敵紹介

次に、主人公の宿敵の紹介。『メンタリスト』では、これはレッド・ジョンになるのですが、これを模倣犯を登場させることで成し遂げます。

『メンタリスト』で、レッド・ジョンの模倣犯が血でマークを書く
The Mentalist [Credit: CBS]

二人の間の過去の因縁については、エピソード内複数回に分けたフラッシュバックで与えられ、レッド・ジョンがジェーンに何をしたか段階的に明らかになります。視聴者の興味が持続するように綿密に計算されていますね。

『メンタリスト』で、テレビで偽霊能者をやっていたジェーンのフラッシュバック
The Mentalist [Credit: CBS]

同僚紹介

主人公の仲間である同僚も第一話で紹介しなければなりませんが、全てを描ききると第一話が映画並みの長さになってしまいますよね。他の海外ドラマでは第一話と第二話をくっつけて倍の長さにして乗る切るパターンもありますけど、『メンタリスト』では1エピソードの必要最小限でこれを成し遂げています。

ジェーンのボスのリズボンにとってジェーンがチームに欠かせない存在であることや、二人の間の微妙な関係もそうですし、女性捜査官ヴァンペルトが飛行機の荷物預けをしたことで新人であることを描写したり、男性捜査官リグズビーがヴァンペルトに気があることなど視聴者に示されます。

自分が個人的に好きなのはチョウの性格描写をする次の場面。被害者の女性が映った家庭ビデオを夫が見てると、チョウは「Good-looking woman」と場違いなコメント。実直過ぎるのが分かりますね。

被害者夫: I lost a beautiful, precious angel.
チョウ: Yes, sir. Good-looking woman.
『メンタリスト』で、チョウは被害者をGood-lookingという
The Mentalist [Credit: CBS]

メイン事件解決

メインディッシュ事件の解決は、当然ジェーンの特殊能力と気まぐれな単独行動が遺憾なく発揮されるのですが、ジェーンの特殊能力紹介だった冒頭のアピタイザー事件解決のキーとなる日記がメイン事件解決の伏線にもなってるところは見逃せませんね。

『メンタリスト』で、ジェーンはデタラメな日記を書く
The Mentalist [Credit: CBS]

リチュアル導入

この第一話では、その後のエピソードでリチュアル(習慣)になる数々のことも導入されています。例えば、ジェーンのお茶好きだったり、事件解決後の差し入れなんかがそう。

ジェーン: Closed-case doughnuts are here.
『メンタリスト』で、事件解決ドーナツを配るジェーン
The Mentalist [Credit: CBS]

視聴者の興味を持続させるエンディング

そして、エピソード最後では、視聴者に次週第二話を見ることを強いるクリフハンガー的終わり方。自宅に戻って直接床に敷いたマットレスの上で寝るジェーン。その上にあるものとは・・・。まさに刑事モノドラマ第一話として完璧な作品。

『メンタリスト』で、事件解決後ジェーンは自宅のマットレスで寝る、その壁にはレッド・ジョンのマーク
The Mentalist [Credit: CBS]

最後に

以上が『メンタリスト』第一話の内容でした。刑事モノドラマを作る時は、これをお手本・教科書にすべきというくらいの完璧な内容なんですね。それで私は50回以上見てるし、何回見ても飽きないわけです(笑) 今回この記事のために見直しましたが、飽きないどころかまた新しい発見をしてしまいました。階段を下るのがうまくなるジェーンw

今回はネタバレを避けましたので、深いところは紹介できませんでしたが、久しぶりに見直したくなったって人は、是非英語字幕でチャレンジしてみて下さい。面白い発見が結構ありますので。ついでに英語もできるようになり、めっちゃお得です。それでは、また〜


第一話のエピソードタイトルが「Pilot」?↓