ハッカーではない、人を見下して使う「Hack」の意味とその語源
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「ハッカー」じゃない「Hack」だけでも人を表す?
「ハック(hack)」は既に日本語になってますよね。コンピューターの世界では不法侵入するとか悪い行為を指してましたが、最近では生活ハックみたいに、裏技的にうまくやり遂げる元々の意味も一般的になってきました。また、ハックする人は「ハッカー(hacker)」と言って、ネット上では「世界でも五本の指に入る友達のハッカーに個人情報を盗ませる」ことで有名ですね。
だから、海外ドラマ等で「hack」単独で意味で人を指して使われると驚くんですよ。「hacker」じゃないの?って。
もちろん「ハッカー」という意味ではなく、なんか人をけなして使っているのですけど、このhackの用法が気になったのでちょっと調べてみました。
「Hack」の語源と意味
まず、hackにはいくつかの意味がありますが、この意味での「hack」はコンピューターとは全く関係ない「馬」が語源でした(笑)
hack
語源
「hackney(普通の馬)」の短縮形、多分地名Hackneyから
Etymology
Abbreviation of hackney (“an ordinary horse”), probably from place name Hackney
というように、普通の馬、常用馬を意味する「hackney」の短縮から来てるのでした。ちなみに、ハッカーのhackはまた別の語源です。
そこから、人を見下して使われるようになったみたいです。
以下、辞書に載っているhackの意味・職業を列挙します:
hack
- 人、しばしばジャーナリスト、特に定型業務をするため雇われた人
- (軽蔑的)雇うことができる人。
- (軽蔑的、文筆業)才能のない作家。
- (軽蔑的)平凡な作品にもかかわらず職業的には成功している人、通常クリエイティブな分野で働く人を指す。
- A person, often a journalist, hired to do routine work.
- (derogatory) Someone who is available for hire; hireling, mercenary.
- (derogatory, authorship) An untalented writer.
- (derogatory) One who is professionally successful despite producing mediocre work. (Usually applied to persons in a creative field.)
というように、結局どこにでもいる常用馬から来ているので、人を指すときも「代替可能、才能なし、金のためなら何でもする、金で雇える」といったニュアンスが付きまとうみたいです。
最後に
今回は人を見下して使われる「hack」の意味と語源についてでした。
私がこの意味での「hack」に出会ったのは5年以上も前。タブロイド紙にゴシップ記事を書く記者を指して使われていました。最初はハッカーと思っていたら意味が合わなくて、慌てて辞書を引いた記憶が(笑)
それ以来、このhackには何十回も出会っているのでもう慣れましたが、今回語源がhackerのhackとは別と知って驚き記事にしてしまいました。
英語を勉強していると、「同じ綴りなのに語源は別」といった単語があるので、面白いと共に、ちょっと混乱しますよね。私はこの事実に気がつくのに結構時間が掛かった記憶があります。最初から「綴りが同じでも語源は別」な単語がありふれていることを知っていたら、英語学習がもっと楽になったのかもね。それでは〜
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