ネット上の「would of」「could of」「should of」って間違い

自分の好きな海外ドラマや作品がどのように受け止められているか知りたくなるのは人情ですよね。自分の意見とどう違うのか、どんな視点があるのか、人間は比較したいんです。

ところで、英語ができるようになると、海外の人がどう思っているか直接コメント・レビュー等を読むことで分かるようになります。これは英語学習の利点の一つですね。

先日、私が好きな『Key & Peele』の寸劇(スケッチ、スキット)の一つ(下記)を楽しんでいたんです。クレアに恋するピザ屋バイトの切ない恋バナ・・・。もちろん視聴後、他の視聴者がどう感じたのか知りたくなりましたとも(笑) そこでコメント欄を読んでいくと・・・

-it would of never of been funny theb

-lol yah that would of solved the problem much faster

-he probably would of been on the phone fooorever!.. lol 😂

or he could of said that he was a girl that has a deep voice

あれれ、文法的になんかとてつもなくおかしいんですよ。

「would of」「could of」ってありえなくね?!

そう思いません? 日本人ならこんな間違い絶対しないと思う。だって、助動詞の後ろに前置詞ってありえないし、そんなの英語文法書に絶対載ってませんからね。wouldの後ろにofが来るという発想自体がそもそもありません。

ネイティブが「would of」「could of」「should of」とする理由

では、なんで英語ネイティブはこんな単純な間違いをするんでしょうか? 入力の予測変換がアホなんでしょうか? ウィルスに感染してるのでしょうか? それとも、みんななんかのカルトに入信してるのでしょうか?

実は、この間違いの背後にある事実は、英語学習する我々日本人にとってもなかなか興味深いんです。

正解:「of」ではなく「have」

まず、彼らが何と間違っているかですが、実は「have」なんですね。

would have

could have

should have

と仮定法過去完了が正体なのでした。つまり、「あの時〜したのに、できたのに、すべきだったのに」と過去に起こらなかったことを言っているのです。

ところで、これらは日常会話では通常短縮されるんですよね:

would’ve

could’ve

should’ve

そして驚くべきことに、これらの発音は

would of

could of

should of

と同じなんです。これがこの間違いの背後にあるカラクリです。つまり、彼らネイティブは音から推測しているのです。

そうは言っても、英語学習してる我々から見ると、相当アホな間違いであることは事実ですね。だって、TOEICの選択式問題で

I should ____ …

の選択肢に「of」があっても、日本人で選ぶ人はほぼ居ないと思いますので(鉛筆サイコロ振ってる人は別)。

grammarlyの説明

なお、このwould ofとwould’veの間違いを英文法チェックソフトgrammarlyのブログでも取り上げていましたので紹介します。

Would Have or Would of?

When spoken aloud, would of and its fellows should of and could of sound exactly like would’ve, could’ve and should’ve. But even if no one can tell the difference when you’re speaking, the mistake becomes obvious as soon as you write it down.

声を出す時、「would of」とその仲間「should of」「could of」は「would’ve」「could’ve」「should’ve」と全く同じように響く。しかし、君が話している時誰もその差を識別できなくても、君が書いている時はその間違いは明らかになる

とのことで、やはり音が全く同じだからという理由ですね。

日本語でも結局は同じ話

ところで、ネット上のコメントやら書き込みを見ていると、日本語でも同様の間違いを見かける時があります。例えば「力づくで子供に英語を勉強させた」。

この文は一見合ってそうですが、実は間違っているんですね。「力ずく」が正解。

こんな単純な間違いをしている日本人がネット上に大量に居ることに、日本語を勉強している外国人はかなり驚くかもしれませんね。だって、彼らの日本語文法書には「力ずく」と書いてあるんですから。「力づく」とする発想がそもそもありません。

あれれ?? なんかどこかで見たことのあるコメントのような・・・(笑)

辞書を読む少女
Image by Наталия Когут from Pixabay

まとめ

結局、母国語というのは耳からのインプットのウェイトが高いんですね。そして、聞く度にその綴りがどうなのか、我々は一々確認はしないんです。このため、いざ書き下す時に間違ってしまうのでした。それが英語ネイティブが「would’ve」を「would of」と間違ってしまう背景でした。

その一方、第二外国語については耳からのインプットは少なくなりがち。文法特化になるんです。そのため、「would of」や「力づく」みたいなネイティブと第二外国語学習者の間で逆転の状況が生まれるのでした。

ところで、私は海外ドラマをものすごい量見て英語を勉強したので、耳からのインプットのウェイトが他の英語学習者に比べて高いんですよ。例えば、いたずらを意味する「シナニガン」という発音の英単語があるんですけど、実は私はこの正確な綴りを知りません(笑) 今調べたら「shenanigan」となっていましたが、小難しく覚えられなさそう・・・。

私はこういうことが起きても良いのではないかと思っているんですよね。英単語の綴りを知らなくても発音は知っている状況。だって、会話でのコミュニケーションの優先度が高いのなら、単語の綴りを覚えるのは余計な負担でしかありませんし。それに、今はgrammarlyみたいなソフトウェアだって援用できますし。

いずれにせよ、私が「shenanigan」の綴りを覚えるのは当分先になりそうです(笑) それでは〜