Enough. Amateur hour is over.
『コミ・カレ!!』で、アマチュアアワーは終わりと述べるピアス
Community [Credit: NBC]

意味が分かるなら調べない

海外ドラマで英語を勉強している時は、意味が推測できる単語はわざわざ辞書を引かずに先に進むのがおすすめです。というのも、英語学習はとにかく時間がかかるので、辞書を引いている暇がないからです。

その具体例としてピッタシなのが、今回紹介するイディオム「amateur hour」。

Cherry’s moves are amateur hour.
『GLOW』で、ルース
GLOW [Credit: Netflix]

上掲シーンは『GLOW』から。「amateur hour」の意味を知らなくても、「チェリーの動きがアマチュア(素人)だ」と言ってるのは直ぐに分かりますね。

ただ、私はこの語彙「amateur hour」には既に十数回出くわしているので、さすがに「hourはなんなんだ?!」と気になって調べたのが今回の記事です。

「Amateur Hour」の意味とは?

まず、Wiktionaryによると

amateur hour

(主にアメリカ、イディオム的)参加者が技能、健全な判断、プロ意識の無さを表す状況や行動

(chiefly US, idiomatic) A situation or activity in which the participants show a lack of skill, sound judgment, or professionalism.

ということで、「素人(アマチュア)」という意味は当然合ってますね。

「Amateur Hour」の語源とは?

そこで、肝心の語源ですが・・・

amateur hour

語源

おそらく、アメリカのラジオ・テレビ番組のシリーズ名から。『エドワード・バウアーのアマチュアアワー』(1934-1945にラジオで放送)と『オリジナル・アマチュアアワー』(1948-1952にラジオ、1948-1970にテレビ)。

Etymology

Probably from the names of series of US radio and television programs such as Major Bowes Amateur Hour (broadcast on the radio 1934–1945) and The Original Amateur Hour (on the radio 1948–1952, and on television 1948–1970).

ということで、アメリカで昔あった番組名『アマチュアアワー』から由来していました。

番組『Amateur Hour』の内容とは?

そこで気になるには『Amateur Hour』なる番組の中身ですね。

Wikipediaで調べてみると、

Major Bowes Amateur Hour

毎週、バウアーは出場者と話したり彼らの演技を聞いた。

番組から選ばれた演者はボードビル公演ツアーに参加した、エドワード・バウアーの名前の下に

Each week, Bowes would chat with the contestants and listen to their performances.

Selected performers from the program participated in touring vaudeville performances, under the “Major Bowes” name.

The Original Amateur Hour

この番組は後発の似た番組の開祖となる、『スター・サーチ』や『アメリカン・アイドル』『アメリカズ・ゴット・タレント』のような。

The show is a progenitor of later, similar programs such as Star Search, American Idol and America’s Got Talent.

ということで、なんと番組『Amateur Hour』は素人のタレント発掘番組の魁なのでした。そして、見事選出された暁には、各地を回って実際公演しているバウアー主催の劇団に参加できる特典があったのです。

ただ、多くの出場者はアマの粋からは出てない人々だったのでしょうね。だからイディオム「amateur hour」にプロでないという意味合いが付いて現在に至るのです。

最後に

今回はイディオム「amateur hour」について意味と語源を調べてみました。昔の番組にも関わらず未だに「amateur hour」が使われているのが興味深いですね。それだけ根付いてしまったってことかもしれません。

いずれにしても、現在でもよくある素人のタレント発掘番組の大元となった番組『Amateur Hour』がこのイディオムの裏にはあったのでした。それでは〜