「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」のお約束
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お客様の中にお医者様は・・・
古今東西、ストーリーテリングでのお約束(trope)の一つに、表題の「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」がありますよね。急病人が出て、その場にいる人々の中に医者がいるかを聞くお約束です。
今回なんで取り上げるかというと、ネット辞書のWiktionaryに、まさにこの項目があったからです(笑):
is anyone here a doctor
人々の中から医師が居たら出てくるように頼む。
Asked to call upon a doctor to come forth from a group of people.
海外ドラマでの「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」
フレンズ
「Is anyone here a doctor?」のフレーズはシットコムの『フレンズ』にそのまま出てきますね:
ジョーイの彼女: Oh, yes. Yes, the best doctor in Salem!
もちろんこれはコメディなので、ジョーイは医者の役を演じてる俳優ってだけで、実際の医者ではないところで笑いにつながるのですが。
メンタリスト
『メンタリスト』では料理コンテストの参加者が倒れる場面。周りが「Is there a doctor in the house?」と尋ねます。
このように、このお約束の際は「Is anyone…」「Is there…」の2パターンが多いようです。
TV Tropeでの「お客様の中にお医者様は・・・」の説明
当然のことながら、テレビのお約束を集めたサイトTV Tropeでも取り上げられていて、1930年代の時点で既に笑いに昇華されていたとのこと:
Is There a Doctor in the House?
いろんなところで使われるフレーズで、劇場やレストランなどの公共の場で誰かが怪我した際にキャラによって叫ばれる。1930年代から笑いのために使われてきたが、使い古されて、真面目に取られることはほぼない(昨今においては思慮深い行動は携帯電話で救急車を呼ぶことだろう)。
A Stock Phrase often yelled by a character when someone is injured in a public setting such as a theater or a restaurant, though it’s been played for laughs since at least the 1930s, making it a bit of a Discredited Trope, hardly ever taken seriously. (Nowadays, the sensible thing to do would be to use a phone to call the paramedics.)
確かに、冒頭の『アンブレイカブル・キミー・シュミット』のような飛行機内以外では、居る可能性の低い医者を周囲から探すより救急車を呼んだほうが利口ですね(笑) まあ、フィクションなので、通常周りに医者が居るのが王道ですけどね。
医療系ドラマでの主人公紹介のパターン
ちなみにこのお約束に関連して、医療系ドラマの第一話エピソード冒頭では、このお約束的状況が往々にして発生し、主人公が偶然に居合わして急病人の一命を救って視聴者への紹介に代えることがありますね。例えば『グッド・ドクター 名医の条件』なんかがそう。
今ならアマゾンプライムビデオで見られます。
これは特殊能力を持つ刑事が冒頭で小事件を解決することで視聴者への紹介になるのとほぼ一緒ですね(笑)
最後に
今回は「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」のお約束を取り上げました。これは海外でもかなり古くから使われてきたお約束で、スマホがある現代では医者を探すより救急車を呼ぶのが最も賢い選択でしょうか。
多分、医者の人口比等を考慮すれば、数学的にその場に医者が入る確率を計算できそうですが、おうおうにして居たのが眼科の医師だったりするのもよくあるパターンですね(笑) それでは〜
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