he said that only once in a blue moon does a dog’s ear grow back.
『フレンズ』で、フィービー
Friends [Credit: NBC]

イディオム「Once in a Blue Moon」の意味とは?

once in a blue moon」はイディオム集には必ず載ってるというくらい有名なイディオムで、意味は「稀で滅多に起きない」ってこと:

once in a blue moon

(イディオム的)とても稀に。

(idiomatic) Very rarely; very infrequently.

このイディオムについては個人的に思い出があって、オンライン英会話を以前してた時にこのイディオムを勇気を出して使ってみたんです。そうしたら、講師が「そのイディオムは初めて聞くけど、意味はだいだい想像できる」と言ってきたんですね。

まあ、ブルームーンなんて現象があったとしても普段は見かけないわけで、そこから類推して直訳「ブルームーンにつき1回」を考慮すれば「まれな現象」にたどり着くのはそれほど難しくないのでしょう。今考えれば、私だってそれぐらいは推測できますが、当時は海外ドラマも見てなかった純粋培養ちゃんだったので、「初めてで推測できるなんてすげー」と思ったものでした(笑)

そもそも「Blue Moon(ブルームーン)」とは何か?

なお、今回改めて「ブルームーン」とはなんぞや?という疑問が首をもたげ調べてみたところ、色が青い月ではないのですね。1年で余分に起こる満月ってだけでした(笑):

Blue moon

ブルームーンとは1年の分割の中で起こる追加の満月のこと:1季節の中で4回の満月の3番目。

現代語法では、このフレーズ「ブルームーン」は月の実際の色とは関係ない。

A blue moon is an additional full moon that appears in a subdivision of a year: the third of four full moons in a season.

The phrase in modern usage has nothing to do with the actual color of the Moon

つまり、1年は12ヶ月なので通常12回満月が起こりますが、なんらかの理由で13回起こることがあるのですね。つまり、春夏秋冬のどこかの季節で通常のところ3回の満月なのが、4回発生することに(鳩の巣原理)。その時、その季節の3番目の満月を「ブルームーン」と言うのでした。

満月(ブルームーン)
Image by Pexels from Pixabay

ブルームーンのレア度

なお、ブルームーンは上述のように定義されていますので、いつ起こるか前もって計算することが可能です:

Blue moons between 2009 and 2037

The following blue moons occur between 2009 and 2021.

以下は2009年から2021年の間に起こるブルームーンである。

  • November 21, 2010
  • August 20, 2013
  • May 21, 2016
  • May 18, 2019
  • August 22, 2021

これを見る限り数年に一回という割合で、イディオム「once in a blue moon」が具体的な数値で理解できますね(笑)

実際色が青いブルームーン

なお、Wikipediaには色が実際青くなるブルームーンについても言及がされていました。

Blue moon

視覚的なブルームーン(月が青みを帯びる)については特定の大気の状態によっては起こる可能性がある。例えば火山の噴火や火災による大気へ放出された粒子の大きさが適切で、赤い光を優先的に散乱するなど。

a visually blue Moon (the Moon appearing with a bluish tinge) may occur under certain atmospheric conditions—for instance, if volcanic eruptions or fires release particles in the atmosphere of just the right size to preferentially scatter red light.

ただし、これは1季節に4回の満月の条件より更に厳しい感じがしますね。大気に膨大な粒子が放出&赤色を散乱するサイズって条件ですから(笑)

青い月
Photo by Alexandra Vozvyshaeva on Unsplash

『ALONE ~孤独のサバイバー~』での「Every Once in a Blue Moon」

なお、何故今回イディオム「once in a blue moon」を取り上げたかというと、最近見ていた『ALONE ~孤独のサバイバー~』での使用例が実に興味深かったから。

この番組の参加者は原生林に一人残されそこで生き残らなければならないという過酷なリアリティ番組。そんな参加者には定期的にメディカルチェックが入るのですけど、参加者がそのイベントを「every once in a blue moon」で言うんですよ。

So people come every once in a blue moon to give you a med check
『ALONE ~孤独のサバイバー~』で、参加者への定期的なメディカルチェック
Alone [Credit: History]

今まで見てきたように、once in a blue moonは滅多に起こらない(数年に1回)レアな現象に使われるべきなのに、週イチ程度で入る健康診断をここではblue moonで言ってるんですね。

でも、それはこの参加者の気持ちになってみれば痛いほど分かるというもの。人里離れた大自然の中、漆黒の闇に恐怖し熊の唸り声に怯えつつ、食糧不足で飢餓になる中一人で生き抜いている参加者にとっては、医療チームが来てくれるメディカルチェックの瞬間は人と人とのふれあいが感じられる、ALONEから抜けられる唯一の状況。しかし、それ故、その頻度については数日空いただけでもonce in a blue moonに感じられてしまうのですね。この番組はそれほど厳しい環境に人を追い詰めるのです。

最後に

今回は「once in a blue moon」というイディオムについて見てみました。稀を意味して、その語源は1年に1回多くある満月から。

自分にとっては海外ドラマで英語勉強を始める前から知ってたイディオムではありますが、やはり実際の番組内で出てきて、しかも週イチ程度の稀とは決して言えない状況で使われて、更にはその使いたい心境が痛いほど分かるという結構まれ(once in a blue moon?)な状況だったで、今回取り上げてみました。

それでは〜


「イディオム」ってそもそも何なんだろう?↓