日本語のイディオム「ネック」

日本語では「問題になること」を「○○がネックになる」と言ったりしますよね。本日、これをふと耳にして非常に気になりだしたんです。だって、英語で「neck」って「首」の意味でしょ?(笑)

そこで辞書を調べると、

ネック

〔bottleneck から〕物事の障害となっている事柄。隘路(あいろ)。「国境問題が―になって交渉が進まない」
スーパー大辞林

なんと、ボトルネックから来てるじゃないですか。

横たわるワインボトル
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英語での「Bottleneck」の意味

もちろんボトルネックの文字通り意味はボトルの首の部分。つまり、細くなっているところのことですね。そこから転じて、なにかのフローの中で問題となる部分を表します:

bottleneck

(by extension) The part of a process that is too slow or cumbersome.

(意味を広げて)あまりにも遅かったり問題があるプロセスの部分

『ブレイキング・バッド』ではジェシーがウォルターの計画のボトルネックを指摘します:

See, that’s the bottleneck in your brilliant business plan.
『ブレイキング・バッド』で、ジェシーはウォルターに意見する
Breaking Bad [Credit: AMC]

日本語でも「ボトルネック」のままでいいじゃん

ところで個人的に疑問なのが、どうして日本語は「ネック」とわざわざ省略したんでしょうか? 英語ですら省略されていないのに(笑) だったら「ボトルネック」のままでいいじゃないですか。別に長い単語じゃないんだし。

もちろん、これにはいろいろな背景があると思うんですけど、一つ言えるのは日本人が「ボトルネック」と言われても「瓶の首」を思い浮かべる人は居ないんですね。だから平気で「ネック」と短縮できるんです。もともとの「ボトルネック」へのアタッチメント(思い入れ)がないんですから。つまり、外国人である故、平気で単語を操作できてしまう。

海外に輸出されて言葉が大きく変わる現象

以前、海外ドラマでは「津波(tsunami)」をヒーローの必殺技の名前に使うってネタをどこかで書きましたけど、これも日本人からすると考えられないんですね。だって、日本人からすると「津波」ってどうしてもマイナス、ネガティブなイメージが付きまとうものですから。正義の味方が「スーパーブルー津波!」と必殺技出しても、「ええ?!」って感じでしょ。でも、一旦外国に渡ってしまうと、彼らにはその単語へのアタッチメントは何もないので、日本人の想像を超えたところで自由に使われてしまうんですね。

つまり、自言語内では意味合いは変化しないのに、他言語に輸出されることで意味合いが大きく変わっていく現象が英語学習をしていると散見されるんですね。 こういう現象って何か名前がついてないのでしょうかね? なかなか面白いテーマだと思います。それでは〜