映画・海外ドラマに出てくる「船の墓場」って実際ありえるの?
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『シーラとプリンセス戦士』で「船の墓場」が登場
福原かれんが声優で出てるのでなんとなく見ているアニメ『シーラとプリンセス戦士』に面白いシーンがありました。主人公一行が航海中、海のど真ん中にいわゆる「船の墓場」が登場するんです:
これは「この海域が危ない」というストーリングテリングにおける典型的記号ですが、当のアニメでは、福原かれんが声を当てるグリマー以外は全く気に掛けないことから、船が海の魔物に襲われて沈没しそうになります(笑)
このような船が大量に朽ち果てている「船の墓場」は、いろいろな海洋冒険譚作品で登場しますよね。主人公に危険が迫るので、不吉なBGMと共にサスペンス効果を高めてくれます。
といっても、ネタバレすると、だいたいはその海域が浅い等の通行が難しい状況か、気象が荒れ狂う嵐か、クラーケンのような海獣が船を襲ってるか、セイレーンが歌で誘惑してるかのどれかでしょうか?(笑)
よく考えてみると不思議な「船の墓場」のお約束
でもさ、ここで深呼吸してよく考えて欲しいんですけど、「船の墓場」って実際ありえるんでしょうか?
例えば、皆さんが船の船長だとして、上で例に出した『シーラとプリンセス戦士』の「船の墓場」を前方に目撃したとします。
そのまま直進するでしょうか?
絶対しないと思うんですよ。だって、船がたくさん沈んでいる海域ですよ。いくら船乗りが自信過剰だとしても、そこにはなにか「危険」が存在するって一目瞭然じゃないですか? もちろん、どんな危険かは直ちに判断はできませんよ。でも、迂回するなりしようとするのが、クルー一人ひとりの命を預かる船長の合理的判断なのではないでしょうか?
そう考えると、最初の一隻、二隻は分かるんですけど、それ以上船が沈んでいる海域は現実的ではない、かなりおかしいんですよ!(笑) だから、個人的に「船の墓場」って実際問題ありえるのかな?と疑問に思うわけです。
「船の墓場」がありえるパターンを考える
ただし、更に深い考察を重ねてみると「船の墓場」の存在を容認できる2つの可能性を思いつきましたので、それを以下検討していきます。
海の魔物が収集好き
まず、海の魔物の趣味説。上で述べたように、船が沈められるパターンの一つは、その海域の番人として登場する海の魔物(大ダコやクラーケン等)による攻撃です。
当然、船長は前方に船の墓場が見えたら面舵いっぱいするはずですが、大ダコに海中から攻撃されたら最後、船は海の藻屑と化します。でも、それだけだと沈没船がアチコチにポツポツ出てくるだけで、まだ「船の墓場」にはなりえませんよね。しかしここで、もしその大ダコが収集好きだったらどうでしょう? 五条大橋で刀を集めた武蔵坊弁慶のごとく、船を沈没させたら勲章としてその船を船の墓場まで引っ張ってくるのです。
そうなのです。船の墓場は海の魔物の沈没船コレクション置き場なのです(笑) これなら、結構納得できそうじゃないですか?
目的地へ行くためには船の墓場を通る必要がある
もう一つの別の可能性。それは、船の墓場を迂回できないパターン。つまり、船の目的地に着くためには船の墓場を必ず通る必要がある・・・
例えば、お宝・財宝が隠されている島に接岸しようとしてるとしましょう。そのためには船が多数沈没している湾を通らなければいけないのです。島はその湾以外は断崖絶壁で囲まれているので、お宝にたどり着くにはその「船の墓場」の湾を通らなければならない。これだったら、お宝に目がくらんだ船が多数湾を通り抜けようとして沈んだとしても、それほどおかしくないのではないでしょうか? これがもう一つの可能性です。
「船の墓場」とゲームの親和性
なお、今回調べていたら分かったことですが、「船の墓場」ってゲームで登場することが非常に多いですね。
例えば、有名な『ファイナルファンタジーV』では、主人公一行を乗せた船が難破した後流れ着いた場所がその名も「船の墓場」でした。中ボスがセイレーンなのはゲームでの王道ですね。
この例のように「船の墓場」の形成には、難破船が流れ着いた場所説も有望かもしれませんね。
最後に
今回は海洋アドベンチャーで登場する「船の墓場」のお約束が現実にありえるのかについて考えてみました。
船長が論理的判断をするのなら船の墓場はありえないと思いますが、いくつかの例外パターンはあり得そうですね。
ああ、そうそう。船長がとち狂って針路を変えず船の墓場を直進するのもあるえるかな? こう考えると、可能性は無限大かもしれません(笑)
ちなみに、SFものになれば「宇宙船の墓場」まで登場するので、そちらの論理的裏付けを考えるのも面白そうです。
それでは〜
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