腕なのに武装って何? 「Armed and Dangerous」の意味と語源
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Redditにあった「偽腕」のおもしろニュース
大手掲示板redditを見ていたら面白いニュースが。新型コロナのワクチンを接種したくない男が偽物の「腕」を使って注射を受けようとしたもの。看護師にバレてしまってニュースになったわけですが、そこまでするかって感じじゃない?(笑) というか、バレるの当然でしょうに。
そんなニュースを喧々諤々する掲示板住民ですが、その中にヒトキワ輝くコメントがあったのです:
Italian Used Fake Silicone Arm While Getting Vaccinated
Armed and dangerous
Armed and Dangerousの意味
この「armed and dangerous」は海外ドラマの刑事モノでおなじみの用語で、容疑者などが拳銃等を持って逃亡してるときなどに使われます:
armed and dangerous
武器を所有し、それを使って人を傷つけたり殺す恐れのある
possessing a weapon and likely to try to harm or kill someone by using it
つまり、直訳の通り武装しており危険ってことですね。
海外ドラマでの「Armed and Dangerous」
以下は『メンタリスト』にあったシーンから。リズボンは部下に容疑者が「armed and dangerous」と危険を周知です。
Redditの「Armed and dangerous」コメント
さて、冒頭のredditの「Armed and dangerous」のコメントに戻りましょう。なぜこれが面白いのでしょうか? それは、偽腕(fake arm)を着けて注射を受ける男をあたかも既に何人も殺している逃亡犯のように「armed and dangerous」と言ってるからですね。armが「腕」と「武装」で掛かっています(笑)
そもそも英単語「arm」はなんで「腕」と「武装」なんだ?
さて、自分はこのコメントを面白く思うと同時に、ふとした疑問を考えていました。どうしてarmは「腕」なのに、それと同時に「武装」なんだろう?と。よく考えたら、これってかなり不思議ですよね。
そこでWiktionaryを紐解いてみれば、なんと、大本は同じ語源で、そこから2つの意味に派生して、そして最終的に綴りが同じになったという数奇な運命を辿っている英単語armなのでしたw:
arm
Etymology 1(語源1) from Proto-Germanic armaz (“arm”),… a suffixed form of h₂er- (“to join, fit together”)
Etymology 3(語源3) from Latin arma (“weapons”),… a suffixed form of h₂er- (“to fit together”), hence ultimately cognate with etymology 1.(それ故、最終的には語源1と先祖は同じ)
この語源3のarmaを見た瞬間あることに気づきました。「鎧」の「armor(アーマー)」も同じ語源臭いぞってね(笑) そこで調べてみれば、思ったとおり:
armor (n.)
from Latin armatura “arms, equipment,” from arma “weapons”
他にも「arm-」関連の英単語があるかもしれませんね。調べてみると面白そう。
redditの続き(洒落た返信)
なお、redditの「Armed and dangerous」のコメントには面白いネタ返信もあったので紹介:
Italian Used Fake Silicone Arm While Getting Vaccinated
I did not find this humerus.
humerus(上腕)とhumorous(おかしい)を掛けてますね、armだけに(笑)
最後に
今回はarmがなぜ「腕」と「武装」を意味するのかを調べてみました。同じ語源に行き着くっての結構意外な気がします。普通は、全く異なる語源のパターンなので。
なお、冒頭の偽腕のニュース記事に戻れば、この人は文字通り「armed」したってことですよね(笑)
それでは〜
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