ジョニー: If you want to be something other than a nerd with a scar on his lip, then you gotta flip the script.
『コブラ会』で、コブラ会道場で指導するジョニー
Cobra Kai [Credit: YouTube Premium]

イディオム「Flip the Script」の意味とは?

イディオム「flip the script」の意味は立場を逆転すること。このまま貧乏農場行きなら、なんか度肝を抜く事をして、それを大富豪に持っていくこと:

flip the script

(カナダ、アメリカ、話し言葉)状況を逆にする、特に予期しないことをすることで。

(Canada, US, informal) To reverse a situation, especially by doing something unexpected.

Flip The Script

予期しないことをすること。標準から逸れるために。

To do the unexpected. To deviate from the norm.

海外ドラマの中で使われる「flip the script」って以前から面白いと感じてたんです。だって、flip the scriptってセリフ自体が台本(スクリプト)に書いてあるってことですからね(笑) そして、映画もテレビも予定調和で進んだらつまらないので、絶対「flip the script」する瞬間があるのですよ。だからか、このフレーズを脚本化作品で聞くと、なんか自己言及的な感じがするのです。

「Flip the Script」の語源

ところで、scriptが「台本・脚本」の意味は分かるのですが、動詞のflipってここではどういう意味なんでしょうか? 物理的に台本をめくるのか、コイン・フリップみたく、台本を中空に投げてひっくり返すのか?

そこでググってみると、English Language & Usage Stack Exchangeに同様の質問があって、すごく納得の行く回答がありました:

Meaning of “flip the script” [closed]

多分、最も良い理解は次のようなもの:自分の役割を相手と交換する、台本上で相手の役を取る。

Maybe best understood like this: I am exchanging roles with my counterpart, taking on his part of the script.

つまり、flipするのは台本上での役なんですね。NGSB(生まれてこの方彼女なし)のいじめられっ子のオタクがクラスのヒーローになるのはflip the scriptなんです。役が入れ替わるのです。

と、ここまで書いてきて思い出しましたが、名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の最後では、文字通りジョージとビフの役割がflip the scriptしてましたっけ(笑)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、ジョージとビフの立場が逆転した未来
Back to the Future [Credit: Universal Pictures]

『ボージャック・ホースマン』の「Flip the Script」ネタ

さて、今回イディオム「flip the script」を取り上げたのは、アニメ『ボージャック・ホースマン』に次のくだらないpun(ダジャレ)があったから。

フリップさんの書いた脚本通りにセリフを言うかどうかで迷うピーナッツバターはキャロラインに電話。キャロラインは「Don’t flip Flip’s script」です(笑)

キャロライン: Knowing Flip, I would just stick to the script.
ピーナッツバター: So, don’t flip the script?
キャロライン: Exactly. Don’t flip Flip’s script.
『ボージャック・ホースマン』で、
BoJack Horseman [Credit: Netflix]

最後に

今回はイディオム「flip the script」の意味についてでした。「flip your script!」と「お前の貧乏農場行きの人生を変えろ!」的なアドバイスとしても使われるようですね。

なお、また思い出しましたが、日本のアニメ・マンガの筋でよくある(?)、男子と女子がぶつかって心が入れ替わるお約束も、物理的に「flip the script」してるのですよね。でも、あれは台本上元々役が入れ替わる筋だから、それをflipすると「flip the flipped script」で結局元に戻るのかな?(笑) それでは〜