警部: As discreetly and quickly and discreetly as possible.
モンク: You… You said discreetly twice.
『名探偵モンク』で、モンクと警部
Monk [Credit: USA Network]
弁護士: You’re an embarrassment, Bob. To me, to yourself, to the family, to me.
ボブ: You said “to me” twice.
『欲望は止まらない!』で、ロバート
Insatiable [Credit: Netflix]

英語で同じことを2回言って指摘されるパターン

海外ドラマを大量に見ていると、色々な法則を見つけることができますよね。物語に定番のお約束だったり、その文化に根付いたものだったり、そして今回紹介する言語に関連するものだったり。

英語ではなぜか知りませんが、同じ事(単語)を2回繰り返すとツッコミが入るのですよ、冒頭に掲げた海外ドラマの場面のように(笑)

これが自分にはすごく不思議なのです。もちろん2回同じことを繰り返すのはアホな響きになるのはどの言語でも一緒ですが、それってわざわざ指摘するほどのものでしょうか? 日本人で指摘する人って居るのかな?

小学校での作文教育

一応、次の記事では小学校の作文の授業が発端としていますね:

“Don’t use the same word twice.”

科学的文章作法を何年も教えた後、僕は小学校の作文の授業で習ったある事が、今でも我々の多くの科学的作文に影響を与えていることを発見した:「同じ単語を2回使うな」。

僕は以前このルールを聞いたことがあるか僕の生徒達に聞いてみた。彼らは聞いたことがあって、最初に聞いたのは教育の初期だったんだ。僕はこのルールが異なる文化や国でも推奨されていることに驚いた。我々の多くはこのルールを使うことを通して書くことを学んだようだ。そして、君は今でもこのルールを推奨するウェブサイトを見つけることができるだろう。

After years of teaching scientific writing, I’ve come to discover another thing we learned in elementary school during English composition class that still affects the way that many of us write our science: “Don’t use the same word twice.”

I’ve asked students in my workshops if they heard of this “rule” before. They have, and it was early in their education when they first heard it. I’m surprised that this rule is promoted even in different cultures and countries. It seems many of us learned to write through using this rule. And, you can find websites that still promote this rule.

この記事の著者は科学的文章作法の先生で、科学的に論理的整合性が求められる文章でさえ同じ単語を回避する科学者が多く、そのことが逆に混乱を呼ぶ文章に結びついていると嘆いているのが上記記事の内容。

いずれにしても、海外では同じ単語を2度繰り返すなと小さい頃から教育されており、それが指摘に繋がっているのでした。

英語以外の他言語でも

ネットの海外大手掲示板redditでも、この同じ単語を繰り返すなルールは取り上げられていて、英語以外の言語でもそうなのかを問うスレッドがありました。ロシア、フランス、ドイツ語にもあるんだとか。

In English writing, we try to not use the same word twice in a sentence. Do most other languages do the same?

  • A similar rule (or rather guideline) is used in Russian

  • We do in French at least, they’re called répétitions.

  • German is very similar in that manner, it is being avoided as far as possible.

TV Tropesでの重複に関する記事

なお、テレビのお約束を集めたTV Tropesでは、テレビでこの重複がどのように出てくるかを扱った記事が「Department of Redundancy Department」というタイトルでありました。もちろん、このタイトル自体、単語が重複してるってことですね(笑) この中でも、今回の記事で扱った重複を指摘するパターンが出てきます。

Department of Redundancy Department

物事を列挙する時、キャラクターは項目を繰り返すだろう。その時「僕ってXって既に言ったっけ?」と言うかもしれない。よくある典型的な例は、「A, B, C, B, D, B, E…Bって言ったっけ?」や「君はXと2回言った」である。

When listing things, a character will repeat an item. Might end with “Did I mention X already?” when making a list. Common ways for it to show up are a list going “A, B, C, B, D, B, E… and did I mention B?” and “You said X twice.”

『クレイジー・エックス・ガールフレンド』の『You Stupid Bitch』

なお、今回なんでこんなネタ(重複繰り返すなルール)を取り上げたかと言うと、海外ドラマ『クレイジー・エックス・ガールフレンド』内で歌われる『You Stupid Bitch』の歌詞にこのネタがあったのに気付いたからです。

調べたところ、日本語のみならず英語でも誰も言及してないので、私が世界中で初めて指摘した事実かもしれない(笑)

その歌は、レベッカが自分の真の姿を片思いのジョシュに見せてしまい、自分のことを「stupid bitch」と嘆く世俗的な内容とは裏腹に、曲調はスローなテンポのバラードという対象的なナンバー。

その最後の歌詞部分に自分のことを卑下して形容する箇所があるんですが、なんと「stupid」と2回言っているのですね。多分、視聴者に「You said stupid twice」と言わせたいのでしょう(笑)

Which is a horrible, stupid, dumb and ugly, fat and stupid, simple, self-hating Bitch.
『クレイジー・エックス・ガールフレンド』で、You Stupid Bitchのミュージッククリップ
Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

公式ミュージッククリップはこちらから↓

最後に

今回は英語での、同じセンテンス内に同じ単語を2度使うなと言うルールについて調べてみました。結局、小学校の作文の授業でそう教育されるからというわけですが、そこから他人のこのルール違反を指摘する傾向になるのは、やっぱ腑に落ちませんね。だって「超かわいい、超かっこいい、超ステキ」とか言ってる人に「You said 超 thrice」と指摘する人って日本では居ない気がするからです。

まあ、海外ドラマを英語字幕で見ると、こういった英語上のお約束的なことも学べますので、海外ドラマを英語字幕で見ることは非常におすすめですよ。それでは〜