Holy Crap!
驚いた人

公式YouTubeチャンネルに『スティング』の4Kバージョン

名作として有名な映画『スティング』の列車でのポーカー対決シーンが、ユニバーサル・ピクチャーズのYouTube公式に上がっているんですよね。しかも、4Kの品質で嬉しすぎなんですけど。

これを見ていたら、ちょうど英単語「crap」が2つの意味で登場していましたので、ちょっと解説したいと思います。

スラング:Crap = 糞

車掌に裏金を渡してギャングのボスであるロネガンのポーカー勝負に参加することになったゴンドーフ。お酒をプンプン臭わしてポーカーをする客室に勢いよく入ってきます。その際、遅れた言い訳に「taking a crap」と言うんです:

ゴンドーフ: Sorry, I’m late, guys. I was taking a crap.
映画『スティング』で、列車でポーカーをするヘンリー・ゴンドーフとロネガン
The Sting[Credit: Universal Pictures]

ここでのcrapの意味は「糞」です。つまり、take a crapで「うんこする」の意味。

crap

(スラング、少し品のない、可算)排便行為。

(slang, mildly vulgar, countable) An act of defecation.

つまり、「うんこしてて遅れた」と初対面の相手に開口一番言ってるんですね(笑) しかも、このcrapは少し品のないスラングなんです。

それ故、直後にロネガンはこの男(ゴンドーフ)を招いた車掌を睨みつけているわけですね。だって、全然紳士じゃないんですもの(笑)

映画『スティング』で、ゴンドーフをポーカーに呼び入れた車掌を睨みつけるロネガン
The Sting[Credit: Universal Pictures]

この時の車掌の心境は、「ヤバイやつ呼んじゃったよ・・・」でしょうか。目を合わせてません(笑)

なお、crapより更に品のない「糞」の言い方は英語では「shit」です。日本人的には、座るを意味するsitが糞のshitにならないように注意しましょう(笑)

スラング:Crap = ナンセンス

さて、ポーカー勝負の行方はイカサマを更にイカサマで返すというout-conなどもあり、ゴンドーフの圧勝に終わります。ロネガンがお金を払おうとすると、しかし、内ポケットに財布を見つけられません。事前にすられているんですけど本人は気づいていないのです。そこで、「財布を取りに行く」と言って部屋を出ようとするや否や、ゴンドーフに次のように難詰されるんですね:

ゴンドーフ: Don’t hand me any of that crap!
映画『スティング』で、列車でポーカーでロネガンを負かすヘンリー・ゴンドーフ
The Sting[Credit: Universal Pictures]

このcrapを最初と同じように「糞」と訳してしまうと「俺にその糞を手渡すな!」と言ってることになり、意味が通りません。

実は、スラングcrap」にはもう一つの重要な意味「ナンセンス」があるのです:

crap

(スラング、少し品のない、非可算)ナンセンス。何か真実でないもの。

(slang, mildly vulgar, uncountable) Nonsense; something untrue.

つまり、ゴンドーフは部屋に財布があるというのをデタラメと捉えているわけです。無一文でポーカーに参加したんだろ、と。そこで、イディオム「take a powder」を使って、財布を取りに行く振りをして「逃げるつもりだろ」と非難するわけですね。

これが、スラングcrapのもう一つの重要な意味「ナンセンス」です。

なお、ナンセンスの更に品のない言い方はshit, bullshit, horseshit等です。アメリカ英語ではbullshitがマジョリティ。bsと省略すれば婉曲表現になります。いずれにしても、なんと、こちらのナンセンスの意味もshitが対応しているのでした(笑)

最後に

今回は映画『スティング』の列車でのポーカー勝負でスラング「crap」が2つの意味で登場していましたので、紹介してみました。

crapは、驚いた時の「holy crap, holy shit」なんかでも有名かもしれませんね。それでは〜


Holy crap!・・・聖なる糞ではない↓