スーキー: How about when he was trying to attract families to visit by driving his van around other towns and beckoning kids with candy?
『ギルモア・ガールズ』で、ローレライとスーキーはタウンミーティングに参加
Gilmore Girls [Credit: The WB]

Hey Little Girl, Want Some Candy?

上の『ギルモア・ガールズ』のセリフにあるように、車のバンでコミュニティを周回し、めぼしい子供に狙いをつけ、それからキャンディーで車の中に誘って誘拐するのは海外ではテンプレ的なシチュエーションなんですよね。「Want some candy?」と言って近づくのです。

実際、テレビのお約束を集めたTV Tropesにも標語の「Stranger Danger」というタイトルで記事になっています:

Too Smart for Strangers aka: Stranger Danger

君の知らない全ての大人は強欲で、性に飢えた変質者だ。キャンディーとおもちゃをあげる約束し、白いバンの後ろに君を誘い込むために待っている。この教訓は80年代に現れた、子供の誘拐や虐待、特に1981年の6歳のアダム・ウォルシュの誘拐と殺害がアメリカ国全体の関心事となった後、そして、子供を誘拐して性的に虐待するというサタンカルト教団が国中をパニックに陥れた後すぐに(徹底的な捜査の後、そのようなカルトは見つからなかったのだが)。

all adults that you don’t know are ravenous, sex-thirsty child molesters waiting to lure you into the back of their white van with promises of candy and toys. This Aesop came along in The ’80s as child abduction and abuse, particularly in the wake of the 1981 abduction and murder of 6-year-old Adam Walsh, became a national concern in the United States and shortly thereafter there was a nationwide panic about Satanic cults that were alleged to be kidnapping and sexually abusing children (though after extensive investigation, no such cults were ever actually found).

何故かバンの色も白と限定されてて不思議ですね。この辺は牛乳パックに載った子供と関係しているので深堀りすると面白いのですが、それはまた別の話。

キャンディーを持つ子供
Image by Anna Prosekova from Pixabay

英語の「キャンディー(Candy)」の持つ日本語にはない意味

いずれにしても「キャンディーあげるよ」と言って変質者は子供をバンの中に誘うわけですね。

でもさ、キャンディーをめっちゃ好きな子供ならいざしらず、アメのキャンディーだけでそんな知らない人に付いていきますかね? そう思わない? 自分だったら付いていかないなあ。

実は、ここにちょっとしたからくりがあって、英語の「candy」には日本語の「キャンディー」より幅広い意味があるのです:

candy

[補] アメリカではチョコレートやキャラメルも全てキャンディーと呼ぶ。日本でいう「あめ」に限らない。
英辞郎

なんと、チョコレートも入っているのですよ! だったら子供が付いていくのも納得、かな?(笑)

M&Mチョコ
Image by Hans Schwarzkopf from Pixabay

ハロウィーン・キャンディー

ここまでくれば、ハロウィーンに子供に配るお菓子が「Halloween candy」なのも納得ですね。アメだけではないのです。

レナード: More Halloween candy? Didn’t you just buy a bunch of it yesterday?
『ビッグバン★セオリー』で、ハロウィーンのレナードとペニー
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

最後に

今回は「キャンディー(candy)」が持つ英語と日本語の意味の違いを見てみました。こういう微妙な違いはいつも不思議で、語彙を日本語に輸入した時に特別なものだけ(キャンディーの場合はアメ)に使用されて、そのうち限定されてしまったのですかね。かと思うと、意味が拡大解釈されて使われる単語もあったりして、英語勉強も一筋縄では行きませんね。

それでは〜


バンといえば、花屋のバンも有名・・・↓