英語は動詞の位置に変な単語を入れても動詞として機能する話
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NATOって?
今回のウクライナへのロシア軍侵攻で、一躍注目を集めたのがNATOこと北大西洋条約機構。簡単に言えば、(ロシアから)攻撃を受けたら互いに防衛に協力するという約束。ウクライナは残念ながら加入していないので、目下のところ戦火に晒されているという状況ですね。
もちろん加入していない国はまだありますが、当然のことながら、今回の戦争が加入の是非に大きな影響を与えているのは想像に難くないですね。
Redditの変なタイトルのスレッド
そんな中、海外大手掲示板Redditに一つのスレッドが立ちます。「61%のフィンランド人がフィンランドのNATO入りを支持している」というニュースですが・・・
61% of Finns want Finland to NATO
学校の授業で英語が得意だった人ならお馴染みの
「want 人・物 to 動詞の原形」構文で、確か「人・物に〜して欲しい」と訳すのでしたっけ。
だから、この場合は「61%のフィンランド人がフィンランドにNATOして欲しい」と訳せますけど、そもそもこの「NATOする」って一体なんでしょう?(笑) 辞書を引いてもNATOに動詞の意味なんてあるわけないですよね。
もちろん、文脈上は「NATOに加入」なのは間違いないですが、joinだかなんだか知りませんが、toの後に動詞が抜け落ちてしまっているのですね。それでこの題名がおかしなことになっているのです。
英語では動詞の位置にあるものは動詞として機能する
ただ、皆さんにはここまで分析して「ああOP(投稿者)は単に間違ったんだな」で終わりにして欲しくないのです。
実は、英語では動詞の位置にあるものはなんでも動詞として機能するのです。英語は位置が重要とかよく言いますけど、まさしくそれなんですね。たとえ動詞でない間違った単語を入れても、動詞っぽく取られてしまうのです。
実際、上記スレッドには以下のようなコメントが付いています:
I also would like to NATO.
I too like to NATO
Can I NATO as well?
You NATO, I NATO, we all NATO for_____
I too, want to NATO
全部NATOを動詞として扱っていますね(笑) 「動詞じゃない単語NATOを使っているよ」ではなく、彼らにはNATOが動詞として響いているのです。
最終的に、NATOの動詞としての意味まで思い付くユーザーまで出る始末(笑):
NATO as a verb hehe.
To NATO [ ney-toh ]:
- To stop bullies from invading your country “I NATO’d and now Putin stays on his side of the border”.
- Invite Putin out to dinner, walk him home, NATO all over his face and then never call him back.
最後に
今回はRedditでのNATO間違いの題名を肴に、英語での動詞の位置の強さについて見てみました。
ここで重要なのは、英語では動詞じゃない単語を動詞の位置に入れたから間違いなのではなく、それはあたかも動詞として働いちゃう、動詞として聞こえるってこと。ネイティブは色々な単語を動詞として使うので、このことは頭の片隅に入れておくといいと思います。それでは〜
ザッカーバーグを動詞の位置に入れると・・・?↓
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