「Arguably」の意味が日本人にピンとこない件
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Arguablyの不思議
海外ドラマを見始めて最初の頃に違和感を感じたのが、この副詞「arguably」でした。というのも、argueは「議論する、口論する」の意で、接尾辞「-able」は可能の意味なのですから、-lyで副詞化して自然に訳せば「議論が可能、余地がある」となります。つまり、arguablyは何か意見が半々のものに使われそうな感じですよね。例えば、死刑制度とか、きのこの山とたけのこの里どっちが美味しいとか(笑)
ただ、英語での実際は、半々ではなく9対1くらいの場合によく使われるのです。「反対意見はあるのは知ってるけど、実際はこっちの意見が正しいよねー」的に。
例えば、次の『ビッグバン★セオリー』では、ペニーの元カレが別の才女と付き合いだしたと聞いたエイミーはarguablyで「あなたよりずっとお似合いの」と比較級の強調を使って述べます。
これなんかがまさに9対1のパターンで、「あなたは反対だろうけど、彼女はあなたよりお似合い」ってニュアンスなんですね。
Arguablyの意味とは?
実際、arguablyを辞書で引くと:
arguably
堅固な論理的推論や証拠、先例で立証される、証明される。
As can be supported or proven by sound logical deduction, evidence, and precedent.
とあって、全然半々ではないんです(笑)
他にも、以前紹介したvocabulary.comの説明を引用すると:
arguably
もし君が「あるレストランがarguablyで町で一番美味しいミルクシェイクを作る」と主張したら、君はそのミルクシェイクの有利になる確かな議論をすることができることを意味する。君が主張や意見を強調したかったり、裏付けしたい時にarguablyを使おう。この単語は19世紀後半に「議論によって示されるように」を意味するため最初使われた。
If you declare that a certain restaurant makes what’s arguably the best milkshake in town, you mean that a solid argument can be made in favor of their shakes. Use arguably when you want to emphasize or back up a statement or opinion. The word was first used in the late 19th century to mean “as may be shown by argument,”
というように、自身の主張を証明できる時に使われるんですね。全然、半々じゃ(略)
Argueの意味とは?
arguablyが結構トリッキーな副詞であることはなんとなく分かっていただけたかと思うんですけど、色々調べてみると、そもそもargueを「議論、口論」と和訳するから意味が少しおかしくなることが分かりました。
事実、argueの様々な意味の中の一つに:
argue
結論の根拠を示す
To show grounds for concluding (that)
とあるので、これを用いればarguablyは「結論の根拠を示すことが可能な」となって、無事英語の意味に対応しますね。
この結論の根拠を示すの意味でのargueは、論文等のお固い分脈で登場するようです。
例えば、『ビッグバン★セオリー』ではシェルドンがスピード違反で裁判所に出廷する場面。彼は自身の無実を証明しようと血気盛んで、緊急時でのスピード超過は法原理に叶うとargueするつもりです。このargueがまさに、立証する、根拠を示すのお固いargueなんですね。
議論の余地は無いは「inarguably」「unarguable」
なお、冒頭で「議論の余地がある」と誤解したことを述べましたが、実は英語で「議論の余地が無い」を意味するのは、今回紹介したarguablyを否定した「inarguably」「unarguable」なんですね:
inarguably
議論の余地なく、確かに、間違いなく;議論や討論の可能性無く。
Indisputably; certainly, definitely; without the possibility of argument or debate.
最後に
今回は、自分が昔違和感を感じた副詞「arguably」の意味について見てみました。今となっては違和感なんてどっかに行ってしまって、少し悲しいですね。
いずれにしても、arguablyできのこの山が美味しいと主張する場合は、それを証明する事ができないといけないので要注意です(笑) それでは〜
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