チェス界のニュース

海外大手掲示板Redditをぼんやり見ていたら、チェスの世界のニュースがありました:

Chess.com renames "Chess.com World Championship" to "Chess.com Global Championship"

なんでも、今まであった「Chess.com World Championship」という大会名を「Chess.com Global Championship」に改めるという何の変哲もないニュース。FIDE Chess World Championshipという有名な大会が元々あって、それと混乱すると言うので、単語worldをglobalに置き換えたのですね。どちらも世界を意味するので、特に意味合いは変わっていません。

チェスを遊ぶ人
Image by Michal Jarmoluk from Pixabay

Flat-Eartherとは?

さて、この記事に対して面白いコメントが入ります:

Checkmate flat-earthers.

ここで、flat-eartherというのは地球平面説を信じる人々のこと。つまり、地球は丸くなく平面で、海をずっと行けば世界の端があると考える人たちですね。このコメントは、その人達はcheckmate(チェックメイト)で負けと言っているわけです。

亀と象の上に乗った地球平面説
いらすとや

ところで以前、地球平面説の信者を追ったドキュメンタリーの感想を記事にしたことがありました(笑)

だから、地球平面説の存在は知っていたのですが、今回、globalに名称を替えたニュースからflat-eartherに行き着く思考の流れ(train of thought)がなかなか秀逸と感じたんです。

名詞:Globe、形容詞:Global

だって、global(グローバル)は明らかにglobe(グローブ)から来てますよね。そして、globeには元々「球」の意味があります:

global

globe(球)al(の)
ウィズダム和英辞典

だから、redditのコメントは、これを元にして、大会名称がglobalと替わったので「地球平面説信者はチェックメイトだね」とチェス用語を使って茶化しているんですね。

なるほど、地球平面説信者は地球のことをglobeとは言わないんですね。だって、globeと言ってしまうと、地球が球であることを暗黙的に認めてることになりますから(笑)

もしかしたら、日本の地球平面説信者も「地」とは呼ばないのかもしれませんね。だって、英語のglobeと同じ矛盾に陥りますもん(笑) この辺は深堀りすると面白そうです。

Globeが「地球」を意味するようになったのは?

さて、ここまで見てきて、個人的に一つ疑問が出てきました。それが、globeがいつから地球を表すようになったのか。

大昔は地球は平坦と考えられていたわけです。ある意味、全人類が地球平面説信者だったわけですよね。それがある時期から球を意味するglobeでの呼称を許すようになったのだから、そこは人類の科学の発展と密接に関係している可能性が高いわけです。

それで調べてみたら、なんと1550年代ですって。マゼラン(とその部下達)が世界一周したのは1522年なので、結構いい線行ってますね(笑) というか、ビンゴです!

globe (n.)

「地球」や「地球の地図」「人工球表面に描かれた空」の意味は1550年代から裏付けがある。

Sense of “the planet earth,” also “map of the earth or sky drawn on the surface of an artificial sphere” are attested from 1550s.

最後に

今回はglobeにまつわるネタを紹介しました。地球を意味するようになったのが人類の我々の世界に対する認識の拡大と歩調を合わせていたのは驚きです。

個人的に安野光雅が大好きなので、アフィでも『天動説の絵本』は挙げざるを得ません。徐々に地球が丸くなっていく様は、まさに我々の世界に対する認識の拡大が見て取れます。惜しい芸術家を日本は亡くしてしまいました。