「ナンバー」の持つ歌の意味

このブログでは今までも「ナンバー」という用語を楽曲の意味で多用してきました。

例えば、日本人にお馴染みのナンバー『君の瞳に恋してる』の英名にある「of」の謎とか、

『クレイジー・エックス・ガールフレンド』のナンバーもランキング形式で紹介しましたし・・

実際、日本語辞書にも

ナンバー

音楽での曲目。
スーパー大辞林

とあるくらいです。

英語「Number」にも同じ意味あるの?

そこで、ふと気になるのが、この「ナンバー」なる用語が、果たして日本でありがちな和製英語なのか、それとも本場の英語でも使われている言い回しなのか・・・。

これを調べてみると、驚くことに、なんとれっきとした英語なのでした(笑):

number

(可算)演奏;特に単独の楽曲や歌やダンスの演目、大きな公演の中で。

(countable) A performance; especially, a single song or song and dance routine within a larger show.

Wikipediaではアメリカ英語であることが言及されていますね。

Number (music)

音楽で、ナンバーは個別の歌、ダンスやインストルメンタル曲を表すんだ、より大きなミュージカル劇やオペラ、オラトリオの作品の一部になっている。また、発表された作品集やコンサートやレビューのようないくつかの関連のない音楽公演の中の個別楽曲やダンスも意味できる。この用語の両者の意味は、19世紀後期からアメリカ英語で使われ続けている。

In music, number refers to an individual song, dance, or instrumental piece which is part of a larger work of musical theatre, opera, or oratorio. It can also refer either to an individual song in a published collection or an individual song or dance in a performance of several unrelated musical pieces as in concerts and revues. Both meanings of the term have been used in American English since the second half of the 19th century.

ここで、面白いのが、両者の説明とも、ナンバーは元々大きな劇とかの中の一演目だったらしいこと。

カーテンが下がった開幕前の劇場
Image by Andreas Glöckner from Pixabay

英語「Number」の語源とは?

すると、俄然気になるのが、どうしたら数字のナンバーが一演目を表すようになったかじゃありません? 絶対関係しないっしょ?

でも、英語では「Number 1」と「Number 2」におしっことうんこの意味があるくらいですから、このnumberの謎の裏にはなにかあるのかもと、ちょっと調べてみました。

まず、Etymology Onlineを当たります:

number (n.)

現代的な「音楽の選集」(1885年)の意味は、ボードビル(寄席演芸)劇演目から、そこで、出し物は数字で記された。

The modern meaning “musical selection” (1885) is from vaudeville theater programs, where acts were marked by a number.

つまり、演目が数字で書いてあったってことですけど、この説明だけだと個人的になんかピンときませんね。

劇場で公演するパフォーマー
Photo by Erik Mclean on Unsplash

そこで更にネットを彷徨ってみると・・・

英語よろず質問掲示板のEnglish Language & Usage Stack Exchangeに同様の質問があり、それに完璧な回答がありました:

What is the origin of "number" as in song or dance?

想像してご覧よ、夜会ショーの演目一覧があったとして、

1: ヴェニスでの夕べ

2: ゴンドラスイート

3: マリア

等々。

もし君がゴンドラスイートを見ているのなら、君はマリアを「次の数(ナンバー、the next number)」と言うかもしれないね。

Imagine a program for an evening’s entertainment:

I: An Evening in Venice

II: Gondola Suites

III: Maria

Etc, etc, etc

If you were on Gondola Suites, you would refer to Maria as “the next number”.

つまり、演目がナンバリングされていて、その数字で各演目を指していたってだけですね(笑) それで、ナンバリングされる必然性があるくらいの出し物がある大きな劇でという前提条件が説明に付いていたのです(笑)

そして近代になり、このナンバーの用語が劇場を超えて適用され、歌手の出したアルバムの一楽曲はナンバーとなり、とある歌手ベストソング集の一楽曲もナンバーとなったというわけ。

これなら100%納得ですね。でも、歌を一曲しか出していない歌手や、いわゆる一発屋(one-hit wonder)の楽曲に対してもナンバーが使えるかは議論の余地がありそうですが・・・(笑)

最後に

今回は「ナンバー」が何故楽曲を意味するのかを調べてみました。英語でもこの用語「number」が使われており、語源は昔の劇場での演目がナンバリングされていたってところ由来。

この語源を考えると、冒頭に紹介したWiktionaryのnumberの説明に可算(countable)があったのは納得でしょうか。

それでは〜