ミゲル: Sensei, why are we mixing cement?
『コブラ会』で、ジョニーにセメントを混ぜさせられるミゲルとホーク
Cobra Kai [Credit: YouTube Premium]

「Cement」の意味は「セメント」

「セメント」と日本語にもなっている英語の「cement」ですが、工事現場で水と混ぜてる光景で日本でもおなじみですね:

生コン車でセメントを生成
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セメントとコンクリートの違いが気になりますが、セメントはコンクリートの原料として有名:

cement

(可算、非可算)粉状の物質、炭酸石灰(石灰岩)と粘土を焼成することで生成、水と混ぜることで強力な凝集性を持つ。コンクリートの主原料。

(countable, uncountable) A powdered substance produced by firing (calcining) calcium carbonate (limestone) and clay that develops strong cohesive properties when mixed with water. The main ingredient of concrete.

動詞「Cement」の意味は?

ただ、英語の文章をよく読んでる方なら、この「cement」が動詞としてよく登場することを知っているかもしれません:

cement

(他動詞、比喩的に)固く密接に結合する

(transitive, figuratively) To unite firmly or closely.

一言で言えば「強固にする」ってことですね。だって、セメントは固まればカッチカチですからね。

例えば、次の『ビッグバン★セオリー』のように友情とかをcementするのが使用の典型的パターン。

シェルドン: What would you say is the minimum altitude I need to achieve to cement our new-found friendship?

「Cement」の語源は?

ただ面白いのが、このセメントの語源を調べてみると、工事現場のセメント登場よりもかなり古いようなのです:

cement (n.)

乾くと固まるしっくいや他の物質、結合するのに使われる、1300年頃から

kind of mortar or other substance that hardens as it dries, used to bind, c. 1300

つまり、セメントは昔はしっくい(モルタル)だったんですね。乾くと固まればそれは「セメント」(笑) ちょっと日本語のイメージと違う感じ。

モルタルでレンガの壁
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そして、実は、動詞の意味はここから出てるのです:

cement (v.)

1400年頃、セメントや、ようなもので(個体を)結合する。比喩的な意味「強固にする」は1600年から。

c. 1400, “to bind (solid bodies) together with or as with cement,” from cement (n.). Figurative sense “to unite firmly” is from c. 1600.

工事現場で水と混ぜるセメントはずーーっと後なのでした。

『コブラ会』で、生コン車を呼ぶジョニーとジョン
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日本語「セメント」の持つスラング的意味

ところで、日本語「セメント」にはプロレス・格闘技なんかで別の意味を持っていることを知っている人もいるかもしれません。

それは「真剣勝負」ということ。別のスラングでは「ガチンコ」とも:

ガチンコ

ガチンコは、大相撲やプロレスにおける「真剣勝負」を意味する隠語である。

同義語はガチ、シュート(英語:shoot)、セメント、ピストル。

なぜ日本語の「セメント」に真剣勝負の意味が出たかは、これこそ、工事現場のセメントなんですよ(笑) あれの硬さが、日本語「硬い」の持つ融通のきかなさ、きまじめさ、厳しさに通じたのでした。

最後に

今回は英語「cement」と日本語「セメント」の持つ比喩的スラング的な意味合いの視点がちょっと面白かったので取り上げてみました。

英語ではcementの持つ「強固にする」というプロセスを見ているのに対し、日本語のプロレスで使われるセメントは結果としての「硬さ」なんですね。

それでは〜