We have to talk.
彼女

『となりのサインフェルド』での「We Have to Talk」への言及

YouTubeで『となりのサインフェルド』のクリップを見ていたら、面白い会話を見つけました:

ジョージ: She says, “We have to talk.”
サインフェルド: Oh, the four worst words in the English language.
『となりのサインフェルド』で、サインフェルドとジョージは書けるペンを探す
Seinfeld [Credit: NBC]

ジョージが彼女に「We have to talk」と言われたと語ると、サインフェルドは「英語で最悪の4語だ」と受けます。

「have to」は英文法の授業で習ったように「〜すべき、必要がある」という意味なので、「私達は話す必要がある」と言っているだけですね。これでなんで、最悪なんでしょう?

このフレーズのニュアンスは、海外ドラマや日常的に英会話をしてる人にはよく分かるんですけどね(笑)

海外ドラマでの「We Have to Talk」

そこで、このフレーズが使われる場面を海外ドラマからピックアップしてみましょう。

フレンズ

チャンドラーはネイルサロンで元恋人ジャニスにバッタリ会い、元サヤに戻りかけそうになります。ジャニスの方は「ネイルサロンにキューピッドが居たなんて」と大喜び。そこでチャンドラーは顔を真面目に一変させ、「we have to talk」と切り出します。何を話すのか分かりますか?

ジャニス: Who would’ve thought that Cupid had a station at 14th Street Nails?
チャンドラー: Okay, we have to talk.
『フレンズ』で、チャンドラーはジャニスに別れ話を切り出せない
Friends [Credit: NBC]

ビッグバン★セオリー

遠距離恋愛中のレナードは彼女プリヤとスカイプ。挨拶もそこそこ「We have to talk」と切り出します。それを聞いたプリヤは「Sounds serious」としますが・・・。

レナード: We have to talk.
プリヤ: Oh. Sounds serious. What’s up?
『ビッグバン★セオリー』で、レナードは彼女プリヤと遠隔ビデオで会話
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

そうなんですね。プリヤが言うように、フレーズWe have to talkの裏にはこのseriousさがあるのですよ。

だって、考えてもみてください。恋人と日常会話するだけならWe have to talkと前置きする必要はないわけです。それを敢えて言っているということは、これから何か重要なことを話すというキューになっているんですね。

これはUrban Dictionaryの説明でもそうです:

We have to talk

良い会話に繋がらない4語の文。通常、悪いニュースを伝える時に相手に準備させる良い手段。

The 4 word sentence that never leads to a good conversation. Usually a good way to prepare the other for bad news.

そして、話される内容が相手にとって悪いという含みもあるんですね。

これは実際、『フレンズ』では別れ話、『ビッグバン★セオリー』では浮気を切り出したというように、ドンピシャリ当てはまっているのです。

HOMELAND

最後の例は『HOMELAND』から。夫が戦死したと思って不倫していたジェシカは、夫が戦地から戻ってきたため不倫相手のマイクと距離を取ります。そのマイクが機会をようやく見つけてジェシカに話しかけるのが次の場面。マイクがWe have to talkとしてますが、もちろん、二人の関係を今後どうするのか話したいのですね。そして、ジェシカはそんなこと話したくないのです。

マイク: Geez, you don’t call, you don’t write… We have to talk.
『HOMELAND』で、不倫していたジェシカとマイク
Homeland [Credit: Showtime]

最後に

今回は『となりのサインフェルド』にあった「We have to talk」というどこにでもあるフレーズを取り上げてみました。一般的には、改めて話があるってときは、これから何か重大なことを話すときなんですね。

だから、上司が「We have to talk」と言えば、あなたは首になるのかもしれませんし、彼女が「We have to talk」すれば、海外ドラマでは別れ話か妊娠がお約束なんです。そして、両親が「We have to talk」するなら、二人は離婚する可能性が非常に高いのです。この背景があったので、サインフェルドは英語で最悪の4語と言ったのでした(笑)

ちなみに、we need to talkとしても意味は同じですが、今回はサインフェルドにあったフレーズで行きました。なお、we need to talkの方が、海外ドラマでの登場頻度は圧倒的に高いですね。そちらはネタがない時にまた取り上げましょう。

それでは〜