Take my hand

Take my whole life, too

For I can’t help falling in love with you

For: 理由を述べる時に

エルビスの名曲『Can’t Help Falling in Love(好きにならずにいられない)』を聴いていたら、歌詞の中に接続詞の「for」が出てきた。ちょっと珍しいけど、理由を述べる時に使われるfor、つまりbecauseなんかと同じ:

for

接続詞

何故なら、〜なので。

Conjunction

Because, as, since.

理由4兄弟「as, because, since, for」の違い

以前紹介した英文法書『Practical English Usage』には、こいつら理由4兄弟の違いについて書かれた「as, because, since and for」というそのものの項目がある。

実際の内容は本の該当ページを参照して欲しいが、簡単に言えば、asとsinceは理由が聞き手に知られている場合、becauseとforは聞き手が理由を知らない場合に使われる。つまり、後者は、理由に重きが置かれる。

これは、エルビスの『Can’t Help Falling in Love』の歌詞をもう一度読んでもらえれば明確だ。彼に「Take my hand, Take my whole life, too」と「I can’t help falling in love with you」のどちらが重要か、どちらを言いたいか選べと尋ねたのなら、後者「好きにならずにいられない」と答えるだろうから。これは賭けてもいい。イタコにエルビスを呼んでもらってもいいよ(笑)

だから、逆に言えば、この歌詞を既に理由が知られているsinceを使って

Take my whole life, too

Since I can’t help falling in love with you

と歌ってしまうと、途端に軽くなってしまう。インパクト・新事実(revelation)がないんだね。

ちなみに、forはフォーマルな文章で使われるとのこと。なので、調べたけど海外ドラマには出てこない感じ。だから自分的には新鮮に感じた模様。

理由のForを文頭で使っていいのか問題

Oh, now there is no sound, for we all live underground

なお、Grammar Girlのポッドキャスト『Quick and Dirty Tips』のこのforについての面白い議論「Using “For” to Mean “Because”」があったので最後に紹介しよう。

forを接続詞として文中に置いて理由を表すのはなんら問題ない。上で引用したVirtual Insanityの歌詞は「音がない、何故なら我々は皆地下に住んでいるから」というわけだ。

しかし、文頭でforを使う人が出てきて、文法学者の意見が割れているというのがポッドキャストの議論だ。

つまり、Virtual Insanityで言えば

There is no sound.

For we all live underground.

となる。これが正しいのかどうか・・・

ポッドキャストの結論は、

it’s a good idea to fix it.

という当たり障りのないもの。こういう悩ましい問題には定番の回答だ。一応、fragments(断片)に聞こえるという理由付けがされている。何故なら、我々は皆地下に住んでいるからだ。

そう、この例ように(ごめんごめん、笑)、話の中で唐突に「For(何故なら)」が出てくると、何かが抜け落ちた感じ、文章の断片みたくなってしまうという話みたい。まあ、これは納得かな。

乾杯のため傾くシャンペーングラス
Image by Alexandra_Koch from Pixabay

最後に

今回は理由のforについてでした。becauseと同じだけど堅いのがfor。

理由4兄弟as, because, since, forについては今度一度まとめたほうがいいかもね。今回はforだけにforcusしてみました。ちと苦しいか(笑) それでは〜


Simply because…↓