Perhaps even taller, smarter and less prone to freckling. A Sheldon 2.0, if you will.
『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンは姉に自分が変わったこと(シェルドン2.0)を伝える
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

「2.0」の意味

2.0」はバージョンを表すIT用語。何かのバージョンが上がったことを意味します。上の『ビッグバン★セオリー』では、シェルドンは自身を2.0と言って、もう昔の古いシェルドンではないと姉に伝えます。

2.0

(技術、インターネット)なにかの2番目のバージョン。

(technology, Internet) The second version of something.

2.0が使われる際、機能などが向上してることが含意されます。まあ、バージョンが1から2へ上がっているので、当然でしょうか。

我らがおなじみウェブスター辞書でも

2.0

何かや誰かの新しく改良したバージョンや例を表すのに、接尾辞的に使われる

used postpositively to describe a new and improved version or example of something or someone

これに関しては『ビッグバン★セオリー』の別のシーンで説明されていました。レナードがペニーとの恋愛関係を2.0として捉えようと提案するところ。コンピュータ音痴のペニーに「内部でテストしてバグを取り払って、新しいソフトウェア2.0として出荷しよう」とします:

レナード: It could be more like a new version of software. Penny and Leonard 2.0. We can test it internally, shake out the bugs and if we both feel it’s solid, then we’ll roll it out to the public.
『ビッグバン★セオリー』で、レナードはペニーに二人の関係を2.0と考えることを提案
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

自分たちの以前の関係をバージョン1.0とすると、2.0で改良版にしたいわけです。

いずれにしても、このITスラング「2.0」は良い意味で使われていますね。

「2.0」の語源はWeb 2.0から

ちなみに、ソフトウェアのバージョン番号が2.0なんて昔からあったわけですが、この2.0のスラング的使用が一般大衆に広まるきっかけは、「Web 2.0」なんだそうです。ウェブを静的でなく、もっと動的に拡張しようという動き。

Web 2.0

ウェブとバージョン番号(ソフトウェアで使われるように)。1999年にDarcy DiNucciにより作られた。

Etymology Web and a version number (as used in software). Coined by Darcy DiNucci in 1999.

「2.0」は皮肉に響く結果に・・・

私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、Redditのコメントにあったこの「2.0」の使い方でした。なんか、上の説明とは真逆の悪い文脈で使われていたからです。

スレッドはGoプログラム言語に関するもの(このブログを生成するのに使われているHugoがGoで書かれていますね)。Goは素晴らしい言語ですが、エラーハンドルがpain in the ass(悩みのタネ)なんですね。それに改善が入るという記事。しかし、蓋を開けてみると、従来の弥縫策に毛が生えたものに過ぎなかった。それで、あるユーザーが落胆してwrapping 2.0と述べるんです。明らかに、機能が改善されている文脈じゃないんです(笑)

When I saw the title I got pretty excited, was hoping for the proposal on new error handling. I guess somebody might find this useful, but I feel like it’s wrapping 2.0.

この2.0の意味を探していたら、Urban Dictionaryに説明がありました。v2ですが、同じ意味合い:

v2

「バージョン2.0」の略。ほぼプログラマーによって皮肉的に使われる命名規則、出荷ソフトウェア製品が「バージョン1」や「ベータ」と表現する方がより正確あることを意味して。

An abbreviation of “version 2.0,” it is a naming convention most often employed ironically by programmers to denote shipping commercial software packages more accurately described by “v1” or even “beta.”

つまり、Web 2.0を契機として、色んなものが2.0として出荷されるようになりました。マーケティング戦略で、とりあえず最後に2.0と付けておけみたいに。中には販売するレベルにない製品まで2.0と付けられて出荷されていったのですね。そのため、市場には粗悪な2.0を冠する品が溢れかえったのです。そこから、次第に2.0には悪いニュアンスが付いてしまっていたのでした(笑)

これはなかなか面白い教訓ですね。これは良いと皆が2.0に食いついたばかり、元々あった2.0の機能が向上されている意味合いが薄れていき、最後には逆の意味にまで至るなんて。

最後に

今回は「2.0」に真逆の悪いコノテーション(含み)があることに気づき記事にしてみました。商品名に2.0を付けるのはそろそろヤメたほうがよさそうですね(笑) 多分、数年後の辞書にはこの意味が載ってそうです。それでは〜