あれ?「ギフテッド(Gifted)」って既に日本語になってるの?
広告
Yeah, but she’s gifted,
which makes her intuitively advanced
and emotionally more vulnerable.
「ギフテッド」なる日本語
ここ最近、「ギフテッド」なる単語をマスメディアで見かけるようになりました。なんでも、文科省がその子どもたちに予算を取ったという関連報道で使われています:
「ギフテッド」の子供を文科省が支援へ…特定分野への並外れた才能、学校生活になじめないケースも
突出した才能を持つ「ギフテッド」支援に予算8000万円計上も額の少なさに「何ができるの?」「桁が2つ違う」
ただ、その大本の文部科学省の資料を見てみると「ギフテッド」なる用語は使わないで「特異な才能のある児童生徒」とされていました(笑) つまり、マスコミが勝手に使っているだけなんですね。
特定分野に特異な才能のある児童生徒
近年報道等においても頻繁に用いられるようになった「ギフテッド」という用語につ いては、英語の gifted の本来の意味で才能や才能のある児童生徒を広く表すのではなく、 突出した才能に限定して用いられる場合や、特異な才能と学習上、生活上の困難を併せ 有する児童生徒に限定して用いられる場合などがあり、対象となる児童生徒のイメージ が論者により異なるため、本有識者会議においては使用しない。 なお、このような用語については、発信の仕方や受け止め方によっては誤解や偏見に つながる恐れがあるのではないかとの意見も寄せられており、文部科学省において上記 考え方を丁寧に説明することが求められる。
ここで興味深いのが、英語本来の高い知性の意味合い以外に、一般生活ができないというコノテーションが言及されている点です。
「gifted」なる英語
ただし、英語のオンライン辞書をいくつか見てみましたが、ここまで突っ込んで記述されているものはないようでした。文部科学省の言いたいことは分かりますけど。
gifted
特別な、特に知的な能力に恵まれた。
Endowed with special, in particular intellectual, abilities.
gifted
もし誰かが君をギフテッドと呼んだなら笑って。それは君が才能あるって意味だから。
君はダンスの才能に恵まれているかも、あるいは恵まれた数学者 — 君の大親友を才能に恵まれた役者とも呼べるし、彼女が才能あるフランス語話者で羨ましく思うかもしれない。いずれの例でも、自然や運命がその運良い人に贈り物を授けたようなものなんだ。
If someone calls you gifted, smile. It means you’re talented.
You might be gifted at dancing, or a gifted mathematician — you can also call your best friend a gifted actor, or feel envious that she’s such a gifted French speaker. In any of these examples, it’s as if nature or fate bestowed a gift on a lucky person.
(vocabulary.comの説明は素晴らしいですね。)
ただ、Wikipediaには近いことが言及されていますね、高い知性の人物に対しての一般論としてですが:
Intellectual giftedness
孤立
社会的孤立は才能に恵まれた人物に共通の特徴である、特に才能に恵まれた友達との付き合いがない人々に。
Isolation
Social isolation is a common trait in gifted individuals, especially those with no social network of gifted peers.
海外ドラマの「gifted」の例
『奥さまは魔女』では、サマンサが魔女であることを隠すため、giftedと言い訳するダーリンが居ますが、これは単に才能があるってだけで、悪いコノテーションは一切ありません。
ダーリン: She’s very gifted that way.
『ビッグバン★セオリー』のシェルドンも敬愛するスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスをgiftedと形容しています。こちらも才能あるってだけ。
海外ドラマの他の例も見てみましたが、悪いコノテーションは出てきません。なんか、このフィールドに関しては日本語が先行(先走る)しているのかもしれません。
発音は「ギフテッド」「ギフティド」?
ちなみに、giftedの発音記号は/ɡɪ́ftɪd/なので、「ギフティド」のような気もしますが、この道を突き詰めていくと、日本語カタカナでは英語の音すべては表すことが出来ないといういつもの袋小路に迷い込むので、深追いはしないでおきましょう。
最後に
今回は「gifted」が日本語になっていると知って、嬉しさのあまり記事にしてしまいました。 文科省が「ギフテッド」を敢えて使わず「特異な才能」としているのも興味深くて、日本語で表現できるのをわざわざ横文字にする必要はないというのはその通りなのかもしれません。変なコノテーション付いちゃうしね。
なお、海外ドラマに『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』というスーパーヒーローものがありましたが、瞬間移動や未来予知できる特異な才能をもつ子どもたちが戦うバトルものでした。ただ、いくらgiftedでもシーズン2で打ち切られるのまでは予知できなかったようです(笑) それでは〜
広告