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英語辞書のエントリー「one’s」と「someone’s」

辞書の項目を眺めてみると、イディオムなんかが特にそうですが、所有格は「one’s」やら「someone’s」と一般化されて掲載されていることがありますよね。

この違いってなんなんでしょう?

例えば、「I followed in his footsteps.⤴️」というイディオムを調べようとした時、「one’s」と「someone’s」のどちらで掲載されているんでしょうか?

他にも「I turned my back.⤴️」ならどうでしょう?

もちろん、両方調べればいいのですが・・・なんか法則がありそうですよね。

「one’s」と「someone’s」の違い

個人的にこの違いは感覚的に分かっていましたが、先週理論的に分かったんです。

結局、主語に対して誰のものかなんですね。

掲載項目上主語はないのですが、主語に対してどう使い分けるかを「one’s」と「someone’s」の違いで表しているのでした。

例えば、I followed in his footstepsは彼の足跡を追うことから、イディオム的意味として彼の生き方やキャリアと同じ道を進むこと。

浜辺に付いた足跡を追う
Image by Evgeni Tcherkasski from Pixabay

ここをI followed in my footstepsにしてしまうと、自分で自分の足跡を追うことになり、なんか変、あるいは自明な主張になってしまう。

つまり、followするのは他人の足跡になるべきなんですね。だから「follow in someone’s footsteps」と言う具合。

逆に、I turned my backは自分の背を向けることから、無視の意味合いのイディオム。

メリーゴーランドの前で女性が背中を見せるよう振り返る
Image by haomao57 from Pixabay

でも、このイディオムってその本人しか使えないんです。I turned your backとはできない。物理的にあなたの背中を振り向かせることは出来ますが、イディオム的にはできないんですね。

だから、掲載は「turn one’s back」なんです。

まとめると、

  • someone…他人
  • one…本人

という感じ。

気づいてみれば結構単純でした(笑)

他の例

このブログで紹介してきたイディオムを例に取っても

相手を出し抜く「steal someone’s thunder」は他人の雷を盗む必要があるのでsomeoneですし、

おとなになる「get one’s shit together」は大人になるのは他人ではない自分たちなのでoneという感じで、あってそうですね。

Merriam Websterでは併記

なお、Webster辞書の正当な後継者Merriam Webster辞書では両方の場合に使えるときは併記されていますね:

cover one's/someone's ass

to keep oneself/someone else from being blamed or punished

最後に

今回は英語辞書項目上の「one’s」と「someone’s」の違いを見てみました。冷静に考えてみればそりゃそうだよねという話。でも、こういう初歩的な気づきを今でもできるのが面白いものですね。それでは〜