It’s automagic
違う世界線で宇多田ヒカルが歌うかもしれない曲

コンピュータ関係の語彙: Automagical

automagicalという語彙があるのですが、これは技術英語でよく出てきます:

automagical

(コンピューター、技術、話し言葉)自動的、しかし、見た目は魔法のように。通常、利用者や操縦士の目からは隠れた複雑な技術過程を表し、結果「単に機能する」技術とみなされる。

(computing, technology, informal) Automatic, but with an apparent element of magic. Commonly referring to complex technical processes hidden from the view of users or operators, resulting in technology that “just works”.

実際、シリコンバレーのスタートアップを扱った海外ドラマ『シリコンバレー』では、二箇所で登場していました。

最初は、VRゴーグルが自動的に君のスマホと繋がるという箇所で副詞automagicallyとして:

When you power up your Hooli VR goggles, they will automagically pair with your phone.

Silicon Valley

もう一つは、アントンというオートマジカルなデータセンターに繋げば、処理がすぐ完了するという文脈で:

once I paired the automagical Son of Anton with my compression algorithm, and gave it access to Galloo Games’ database, it indexed it all in less than 10 minutes, and generated this.

Silicon Valley

このように、IT系で非常によく出てくるautomagical。ある意味、杖を振れば「ビビディバビディブ」とかぼちゃの馬車が目の前に現れるような技術なんですね。シンデレラのようなユーザー側にはどういう技術かは隠されている。

魔法の杖を振る老魔法使い
Image by lillaby from Pixabay

Automagicalの語源

automagicalの語源がオートマティックとマジカルを合成してるのは、ちょっと考えてみれば推測できると思います。ただし、背後に面白い事実が隠れていたので、今回紹介となりました:

automagical

語源

automaticとmagicの混成語。十分に発達した科学技術は魔法と区別がつかないという (しばしばクラーク第三の法則と呼ばれる)原理から。

Etymology

Blend of automatic +‎ magic; from the principle (often called Clarke’s third law) that any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic.

なんと、あの中二病をくすぐられるクラークの法則の三番目「十分に発達した科学技術は魔法と区別がつかない」が念頭にあったのでした(笑)

なるほど、automagicalは単なる語呂合わせのpun(ダジャレ)ではなかったってこと。

最後に

今回は技術系の英語で出てくるautomagicalの語源にクラークの法則が隠されているのを知ってびっくり、記事にしてみました。 まあ、ユーザーとしては、オートマジカルに個人情報が吸い上げられていくのは勘弁してほしいですね(笑) それでは〜