ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

You Have a Tell.

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よく英語勉強本に、基本英単語1000をマスターすれば(ドラマ)英語は9割理解できるとかあるんですが、これって統計を悪用した眉唾だと昔から思ってます。結局全体のテキストを英単語に分解して、「その9割は単純な単語だ」とやってるわけです。でも、よく考えみると

I abhor you.

という文があったとして、abhorが分からなくてもこの文はインチキ統計処理で66.7%分かったことになってしまうわけです。アホらしすぎると思いません?

さて、この記事タイトルのYou have a tell.ですが、インチキ統計処理すると、中学を卒業していれば100%理解できることになってしまいます。しかし、ここのtellの本当の意味は、なかなか初見では把握しづらいのではないでしょうか。分かる人いるかな?(笑) ここでは、ドラマの中で実際使われたシチュエーションから類推して行きたいと思います。海外ドラマを英語で視聴する上で、この類推力は必要不可欠の能力になります。日本語訳も付けましたので、一緒に考えてみてください。

NUMBERS 天才数学者の事件ファイルから

捜査に行き詰ったCharlieは父親Alanからヒントを得ます。

Alan: you gotta remember you can't play percentages. Remember when Millie beat me at chess?

Charlie: Yeah, she figured out that you had a tell, right?

Alan: Right. She played the player, not the game.

Charlie: You think Novich has a tell?

Alan: Everyone has a tell, Charlie.

Charlie: I don't.

Alan: Yes, you do.

Charlie: Yeah, what's my tell?

Alan: I'm not telling you.

Numb3rs/Season 3/Episode 16

日本語訳はこんな感じ。

アラン: 数字をいじくるだけでは解決できないことを覚えたほうがいいぞ。儂がチェスでミラーに負けたことを覚えているか?

チャーリー: ああ。彼女、父さんのtellを見破ったんだろ?

アラン: そうだ。彼女はゲームでなく対戦相手を攻略した。

チャーリー: ノビクもtellがあるって言いたいの?

アラン: 誰でもtellは持ってるさ、チャーリー

チャーリー: 僕は持ってない

アラン: 持っているとも

チャーリー: じゃあ、僕のtellって何さ?

アラン: 教えるわけないだろう

tellだけに「言いたいことがある」という意味を考えがちですが、そうではなさそうです。tellはチェスで勝つのに利用でき、誰もが持っているもの。チャーリー本人は気付いていないけど、父親はチャーリーのtellを知っています。まるでなぞなぞですね(笑) これだけで正確に類推するのは難しいです。でも、傾向とか秘密とか個性とか癖といった意味であることはなんとなく分かります。最後のお父さんの「not telling you」もtellに掛かっていて、クスリ(chuckle)ですね。

メンタリストから

次はポーカーで負けまくっているリズボンの上司BertramにJaneがアドバイスをするシーンです。またゲームですね。

Jane: You're very fond of the fake tell, aren't you? Before you bet, you look away and you breathe out very slowly, like you're trying to... calm yourself.

Bertram: Yes.

Jane: Well, you have a tell inside the fake tell. When you're bluffing, the breathing is audible.

Bertram: The hell it is. I-I control myself.

Jane: You get yourself a good hand and puff away like that, Manchester will for sure think you're bluffing.

Mentalist/Season 5/Episode 14

日本語訳です。

ジェーン: 偽りのtellがとても好きなようですね。賭ける前によそ見してゆっくり息を吐く、まるで自身を落ち着かせるように・・・

バートラム: その通りだ

ジェーン: あなたは偽りのtellの内部にtellがあります。ブラフを仕掛ける時、音を立てて息をする

バートラム: そんなわけあるか。じ、自分自身は制御できる

ジェーン: いい手が来た時そうやって息を吐く。マンチェスターはあなたがブラフしてると確信するんでしょう

ここまで来るとピンときますね。fake tellとありますから、偽りの癖という意味で間違いなさそうです。バートラムはブラフでわざと動揺するフリをするわけです。ですが、対戦相手にはその動揺のフリをする時の息の吐き方で、本当かどうかバレてしまっていたわけですね。つまり、相手を騙そうと嘘を付くけど、嘘付く時の癖で相手に嘘がバレる、という感じ。ちょっと複雑ですね(笑) 辞書を引くと

(especially in poker) an unconscious action that is thought to betray an attempted deception.

なので、より正確には、

(ポーカーで)嘘を付く際に出る無意識の行動

となります。嘘を付く時とより限定されていますが、やはり癖なのは間違いないですね。100%正確ではなくても、tell=癖ということが分かっていればストーリーは把握できます。ここでtellは無意識に語っているというニュアンスなんでしょうか。

このように、tellという英単語一つ取っても、中学で習ったから100%でもないし、辞書通りの正確な定義を知らないから0%でもないのですね。

冒頭で紹介したNumb3rsチャーリーのお父さんのセリフで記事を〆ましょう。

you gotta remember you can't play percentages.

Mic drop。お後がよろしいようで。

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