ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

Ask と Tell の違い

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直接話法と間接話法の Ask と Tell

多分、英語を勉強していてaskとtellの違いを意識する最初の瞬間は、直接話法と間接話法の言い換えを習うときだと思うんですが、どうでしょう?

He said to me, "(Please) Leave me behind."

He told(asked) me to leave him behind.

確かこんな感じだったはず(あってるよね?)。

だから、「askとtellの違い=pleaseの有無」という認識になってる人が多いハズ。多分それは間違ってないし、試験にパスするためには最短の道なんだろうけど、今回はちょっと道草して、海外ドラマでよく出てくる「I'm not asking you, I'm telling you.」という言い回しを通してaskとtellの違いを見ていきたいと思います。

ベター・コール・ソウルから

ジミーは出向先の弁護士事務所で許可を得ずに勝手にCMを放映してしまいます。これが大問題となり、出向元のHHMでも急遽会議が開かれる始末。ジミーの恋人キムは、ジミーが広告を流すのを事前に知っていながら会社に連絡しなかったことで、HHMの創業者ハワードによって懲罰的に書類整理担当に配置転換させられます(この会社こういうところブラックすぎw)。その晩、残業して書類整理を行うキムの元へジミーが訪ねてきます・・・。ジミーがこんなのBS(デタラメ)だと言ってハワードに掛け合おうとするのをキムは制止。それでも説明するというジミーに、「I'm not asking you... I'm telling you.」とキム。askではなくtell。つまり、ここでtellは一方的な命令なんですね。交渉の余地は無く、私の言うこと(=ハワードの元へ行かない)に従いなさいということ。逆に言えば、askには交渉・選択の余地があるってことですね。ちなみに、最後のdoneはここでは、おしまい、用済み、首というニュアンス。

ジミー: I screwed up, you know? I know that. But this... this is total bs! I'm... ‭I'm talking to him tonight!

キム: Jimmy, no. ‭you'd only make things worse.

ジミー: I'll explain it to him.

キム: No! I'm not asking you... I'm telling you. If you go to Howard, you and I... we're done.

Better Call Saul/Season 2/Episode 4

プリズン・ブレイクから

兄リンカーンの死刑執行が明日に迫り、弟マイケルは署長に頼み込んでリンカーンと最後の面会をさせてもらいます。そこで、今晩脱獄すると宣言するマイケル。しかし、兄リンカーンは自分の腕に掛かる手錠を見せ、それが不可能であると言います。そんな事言うなと嘆くマイケルに、リンカーンはさらにマイケル自身も捕まって刑務所で腐ることになるとしてから、「I'm not asking you, man, I'm telling you.」です。弟を思う兄としては、「俺を置いてお前だけ行け」なんですね。こちらも、議論の余地はなく一方通行なんです。だってaskだったら、マイケルに選択肢(兄を連れていく・置いていく)ができちゃいますからね。ちなみに、このシーンの手錠と壁を繋ぐ鎖はちゃちなものになってます。ホームセンターで500円で売ってるレベル。ドラマを見返すならそこもチェック!(笑)

リンカーン: Listen to me! You gotta go.

マイケル: Don't say that.

リンカーン: Look at me! You can't do this. There's not enough time. If you stay here, they'll nail you And you'll rot in here. I'm not asking you, man, I'm telling you. Leave me behind. Go.

Prison Break/Season 1/Episode 20

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Prison Break [Credit: Fox]

最後に

今回は、海外ドラマでお馴染みの表現「I'm not asking you, I'm telling you.」が使われる2場面を通してaskとtellの違いを見てみましたけど、結局は、askは相手に交渉の余地を与えるのに対し、tellは交渉の余地なしの一方通行な感じになるのでした。こういうのって「askとtellの違い=pleaseの有無」と覚えただけでは、なかなか意識しづらいのではないでしょうか。

逆にこの2つの概念を繋げれば、「pleaseを付けることで相手に交渉の余地を与えることになる」とも言えてしまいますね。

つまり、「外国人に水着を着て温泉に入ってもらいたくないのなら、注意書きにpleaseは不要」ってことですね。だって、水着で入る交渉の余地を相手に与えてしまいますから(笑)

「日本人のpleaseに対する誤解」ってのが教科書やブログで盛んに言われてて、「付ければ丁寧になると勘違いしてるけど違うよ」ってのがよくありますけど、上記のような「付けなくていいところにpleaseを付けてしまう」ってのも、もっと注目を浴びるべきかもしれませんね。

ちなみに、このブログ的には「海外ドラマ英語字幕でみんな見ようよ!」というスタンスで来てますけど、これは

I'm not telling you, I'm asking you.

となっています(笑) つまり、強制じゃないです。人それぞれ自分に合った勉強法はあるでしょうからね。

それではまた〜