ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

Double Down / 倍賭けする、(反証等が出ても)自説を更に強く主張する

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Double Downはギャンブルのブラックジャックから来たイディオムだそうです。掛け金を倍にする代わりに、もう一枚カードを引く権利が得られるのだとか。

Always double down on a pair of aces.

Desperate Housewives/Season 5/Episode 15

エースのペアなら手札の合計は2か12のどちらかですから、もう一枚引いたほうが絶対お得です。21を超えることはないのですから。つまりダブルダウンするべきシチュエーション。ギャンブルでの意味には難しいところはありません。

さて、このイディオムが面白いのはもう一つの意味の方。

それを説明するため、たとえ話をさせて下さい。

歴史学者が自分の理論を述べるとします。そうですね、ここでは邪馬台国近畿説としましょう。「邪馬台国は近畿にあった」とテレビで主張した後、中国内で新たな古文書が発見されたとします。その古文書には邪馬台国までの行き方が正確に述べられていたとして下さい。学者がその通り辿ってみると、なんと九州にたどり着いたではないですか! つまり、学者の信じる邪馬台国近畿説が否定されてしまいました。でもこの歴史学者はそこで降参しないで、近畿説を更に強く主張(double down)するんですね。例えば、「当時の中国の測量技術は未熟だから、書かれているルートはデタラメ。偶然が重なって九州に行っただけ!」とか。ちょっと主張が苦しいのですが、何が何でも自説を絶対取り下げないで、逆に更に入れ込むのです。これもDouble Downなんです。

賭けから降りずに更に掛け金を上げてしまうこの状況って、日常生活でもよくありますよね(笑)

www.foxnews.com

上記ニュース記事にこの意味でのDouble Downが使われていますね。トランプ大統領が国境の壁予算を求めて政府をシャットダウンしている状況で、世論調査では有権者はトランプから離れていってしまいます。しかし、大統領は国境の壁に更に固執して行くのでした・・・。結果は、皆さんご存知の通り。さらにもう一つ別の例。

hotair.com

I jumped to conclusions too when the first carefully edited clip of the confrontation emerged but it’s one thing to render judgment rashly and regret it and another to double and triple down after evidence to the contrary emerges

この記事ではtriple downまで使われていますね。3倍賭け。自説を絶対譲らない感じです。ちなみに、この記事は以前紹介したことのあるネイティブ・アメリカンの老人とトランプ派の若者の対立の話ですね。当初公開された数分バージョンとは違い、後日長時間バージョンのクリップが出てきて、「若者たちも被害者だった」と判明したんです。しかし、最初に若者グループを非難したネットユーザー達は意見を撤回せずに、更に若者への批判を強めていったことを指しています。殺害予告までなされたとか。

このイディオムDouble Downは政治家の舌三寸に対してよく使われますが、それ以外でも「自説に更に乗っかかって」れば誰でもOK。日本人にはリアルでDouble Downする人はあまりいない気がしますが、ネット上だと匿名がそうさせるのかDouble Downしがち。自戒の念を込めて注意したいですね。