ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

Let Me Tell You Something / いいことを教えてやろう、言わせてもらうと

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Let me tell you something...

前置き

Let me tell you something」が海外ドラマで使われるのは、これからなにか話を始める前の前置きとして。そして、通常その話は聞き手が知らないことだったり、教訓になることだったり、教育目的だったり、とにかく役に立つ(と話し手が思ってる)ことが多い感じです。典型的なのは、次のような親子の会話かな:

父親: 浮かない顔してどうしたんだ?

息子: いじめられるから学校行きたくないよ。

父親: Let me tell you something... 実はお父さんも昔登校拒否だったんだ。だけどある日・・・

海外ドラマなら多分この後、お父さんがいかにして登校拒否を克服したかが語られ、その話に息子が勇気づけられて学校に行く決意をするって感じ(笑) このように、いきなり登校拒否話を持ち出すことはせず、Let me tell you somethingで一拍置いてから話し始めるんですよね。実際、somethingの後に間を置くし。だから、Let me tell you somethingはこれから重要なこと話すって合図っぽくも働くんです。discourse marker(談話標識)と言っちゃってもいいかもしれない。つまり、日本語で「昔々」と来れば昔話が始まるんだなと予期するのと同様に、英語で「Let me tell you something」ならためになる話が始まるんだなって感じ。このニュアンス分かってもらえるかな?

ちなみに、Urban Dictionaryには

Let Me Tell You Something

When you feel the need to make someone feel dumb by demonstrating your knowledge over a wide variety of subjects, this phrase is useful.

広範囲に渡る知識をひけらかすことによって誰か自身を間抜けだと思わせる必要がある時、このフレーズは役に立つ。

Urban Dictionary: let me tell you something

と、相当皮肉的。つまり、Let me tell you somethingする方は知識があるけど、聞き手は間抜けの構図ってわけ。でもこれはある意味正しいんですよね。というのも、Let me tell you somethingを使うのは、大体ランクが上の人、年長者、政治家、経験を持っている人が、下の若者(未経験者)に対してですからね。だから、Urban Dictionaryのこの意味を書いた人は若者側ですね(笑)

ちょっと説明が長くなりましたが、それでは海外ドラマで使われるLet me tell you somethingを見ていきましょう〜

ブレイキング・バッドから

ウォルターの息子ジュニアがマリファナに興味を持ってると勘違いした叔父で麻薬取締官のハンクは、ジュニアをヤク中共が屯する場に連れて行きます。そして、Let me tell you something.と前置きしてから、ジャンキー共がどうやってクスリを始めたか御高説です。「最初はgateway drug(入門ドラッグ)から、みんな軽い気持ちで始めて行ったのさ」。この指導して知恵を授けてる感じがLet me tell you something.です。ちなみに、ここではジュニアは勘違いされているので、とんだトバッチリですね(笑)

ハンク: Let me tell you something. Every one of these miserable wastes of skin got started how?

ジュニア: Hm?

ハンク: How do you think they started?

ジュニア: I don't know.

ハンク: What do you think it was they were all doing before they graduated to shooting meth in their dicks? A gateway drug. That's what we call it.

Breaking Bad/Season 1/Episode 3

コブラ会から

はい、コブラ会見たからこの記事書いたのバレバレですね(笑)

次はジョニーのフラッシュバックから。子供時代のジョニーがコブラ会師範ジョンから空手レッスンを受けているところ。涙するジョニーに、師範ジョンがLet me tell you something.です。涙がこぼれ落ちた瞬間、お前の負け。これなんて上から下の典型ですね。

ジョン: Are those tears, Mr. Lawrence? What's the matter? Can't you handle the way I speak?

ジョニー: No, Sensei, it's my stepdad. He's...

ジョン: Let me tell you something. The moment those tears leave your eyes, you lose. And I don't teach losers. Do you understand, Mr. Lawrence?

ジョニー: Yes, Sensei.

Cobra Kai/Season 2/Episode 1

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Cobra Kai [Credit: YouTube Premium]

フレンズから

レイチェルとエイミーが口喧嘩してるシーンから。収まりがつかなくなったエイミーは、あろうことかレイチェルの赤ん坊まで矢面に。しかも、単にnot that cuteというのではなく、let me tell you somethingとしてから言うことで、「お前たちの知らない事実を教えてやろう」的に言ってるのが余計タチが悪い(笑) これにはさすがのレイチェルも、「 (Go) Too far.」です。やりすぎってことですね。こんな感じで、悪口に適用すれば、威力を2倍(当社比)にできます(笑)

エイミー: Well, let me tell you something. Your baby isn't even that cute.

レイチェル: Too far, Amy. Too far.

Friends/Season 9/Episode 8

最後に

今回紹介したlet me tell you somethingは、話を始める前の前置きとして使われました。意味は「いいことを教えてやろう」。これを使うことで、これから教育的なためになる話をするというニュアンスが出せます。また、フレンズの例のように、知恵を授ける目的ではなく、逆に相手にダメージを与えるための使用例も多々見受けられますね。

会社の先輩が皆さんを教育目的(と本人は思ってる)で「俺が若い頃は・・・」と教訓的昔話を始めたら、それがまさしくlet me tell you somethingモーメントと言って良いかと思います(笑) ほら、アーバンディクショナリの記事執筆者を笑えなくなってきたでしょ(笑)

ここまでくれば、この記事を「Let me tell you something...」で始めた理由も既に分かるかと思います。タイポでもなんでもありません。私が皆さんに「いいことを教えてやろう」と知恵を授ける感じになっていたのでした。↑↑一番上まで戻って確認してみて下さい(笑)