ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

世界の本好きが陥る発音の罠

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www.waywordradio.org

英語に関する何でも相談のPodcast A Way with Wordsに面白い質問が来ていたので紹介します。

それは埋めるって意味の動詞の「bury」の発音について。質問者は学校の国語(つまり我々からは英語)の教師をしてるんだけど、この人はburyをブゥァリィと発音して今まで生きてきたのだそうです。 陪審員のjuryや、怒りのfuryと同様ですね。しかし、職場の学校でburyを発音した際に、生徒から発音を指摘されてしまい(しかも2度も!)、今回の質問になったのだとか。

もちろん、これは生徒の方が正しいんですね。だって、buryの発音はberryと同じベリー(/béri/)ですから。veryの/v/を/b/にしたものと言ってもOK。

でもどうして、buryがこんな標準から外れる発音になってしまったんでしょう?

番組の二人の専門家に言わせると、米国英語・英国英語と独自に英語が発展した後、標準化で擦り寄せを行ったときに発生したイレギュラーなんだそうです。

二人は他の例として、busyを挙げていました。たしかにこちらも、バジーじゃなくビジー。発音知らない初見の人からすれば間違ってしまいそうです。busyなんて超基本的な単語だけど、言われてみればなるほどって感じです。

ところで、元の質問者に戻ると、この人の最大の謎は、何故buryをブゥァリィと発音してしまっていたのかという点。両親の影響? 住んでた場所? 方言? 色々ありそうですが、言語専門家はあることに言及します。あなたは本がとても好きなんじゃないですか?、と。

そうなんです。この人国語の先生になるくらいなので、本読むのが大好きなんですね(番組内ではvoracious readerと形容)。そして、幼少時、本を読んでいて発音が分からない単語が出てきたら・・・当然、似た綴りの単語から発音を類推するわけですよね。だから、buryもfuryなんかから類推して、そう思い込んでしまったのでは?という話でした。

自分はこの話を聞いた瞬間、雷に撃たれるくらいの衝撃を受けます。

だって、私も同じ経験があるから。というか、漢字に囲まれて暮らす日本人は、多かれ少なかれ誰でも同じような経験あるはずです。

例えば、「脆弱」。子供が本読んでてこれに出会ったら、「きじゃく」って読んじゃうでしょ(笑) そしてそのまま訂正される機会がないまま大人になってしまえば、この先生の一丁出来上がりってわけ。

なんかこれってめちゃくちゃ面白い現象じゃない? 言語の壁を超えて、世界の本好きが陥ってしまう共通の罠。

都度辞書を引けばいいという意見もあるのでしょうが、面白い小説読んでる最中、物語の世界にどっぷり嵌まり込んでいる最中に、現実になんか戻りたくありませんからね。分からないところは類推して、どんどん先に進んでいく。

これは、海外ドラマなんかを英語で視聴する上でも重要なことですね。いちいち一時停止して辞書を引かないで、どんどん先に行く。類推が間違っていたとしても、その都度修正していけばいいんです、今回の先生のように。

発想を逆転すれば、恥をかけばその分学べるんだから、英語に限らずどんな言語の勉強でも類推上等なんですよね。試しに1000回も恥をかいたと想像してみて下さい。その頃には、あなたの英語は相当立派なものになってるはずですよ、絶対。

それでは〜