ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

テレビカメラに写ってはいけないものが障害物で隠れるお約束

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(今回の記事には肌露出ギリギリのシーンのキャプチャが含まれていますので、公の場でご覧になる場合には十分お気をつけ下さい。)

以前刑事コロンボを見ていたら、以下のシーンに出くわしてびっくり。だって、コロンボですよ、刑事コロンボ(笑) こんなシーンがあるとは想像だにしませんよね(笑)

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Columbo [Credit: NBC]

場面は、コロンボが事情聴取でアトリエに入ってくるシーン。ヌードのモデルが既に居て、画家のキャンバスで写っちゃいけないところが見事に隠れるというおなじみのもの。このシーン、コロンボが少し恥ずかしがっているのも、茶の間的にはほんわかしますね。

更によく見ると、キャンバスの方向がおかしいことにも気づきます。もちろん、このモデルの重要な部分が「隠れる」構図を狙っているので、モデルに対して斜めに置かれているのですね。必要最低限の箇所が隠れるようになっているわけです。

このシーンを撮る前に、カメラマンや道具係、監督が色々微調整したと考えるとニヤリとしてきます😁

さて、皆さんもこういったシーンはよく見たことあると思いますがどうでしょう? 日本のドラマだと、ラブシーンが始まると、花瓶の影に隠れるパターンとか(笑)

今回はそんなお約束(Trope)を見ていこうと思うんですけど、その前に、このお約束って別にテレビが起源ではありませんよね。芸術、特に絵画なんかでも当然昔からあったわけです。時の権力者と芸術家の間の争いが。表現の自由と検閲のせめぎあいが。芸術家達はギロチン送りを避けるため、上のコロンボみたいに手前に障害物を置いて見えなくしたり、宗教画とすることでエロというレッテルから逃れたり、試行錯誤したんだと思いますね。これは全く調べいない私の適当な意見ですけど、あまり外れてはいないと思います。

さて、そんな「カメラに写ってはいけないものが障害物で隠れる」お約束ですが、お約束集サイトTV Tropesですでに記事となっていました。その名もScenery Censor。つまり、シーンの検閲ってそのまんまか。下の画像を見れば、まさに我々がこれから見ていくものですね(笑)

tvtropes.org

さて、ここから海外ドラマで最近見かけたこのScenery Censorのお約束を見ていきますが、ダメな人はすぐブラウザの「バック」ボタンで戻ってくださいね。

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まず最初はクレイジー・エックス・ガールフレンド。なんやかんやでポルノビデオを撮ることになったレイチェル一行。レイチェルは真っ裸なんですけど・・・。撮影舞台の後ろからの眺めをまずは見てみます。ちゃんとレイチェルのお尻が障害物で隠れていますね。

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Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

さて、このシーンを前から見るとどうなると思いますか? それが次。カメラのマイクでちょうど隠れていますね(笑) しかも手持ちです。レイチェルさん、ちょっと太い?!

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Crazy Ex-Girlfriend [Credit: The CW]

このシーンがすごいのは、前と後ろの2カット用意してあって、しかも両方ともScenery Censorになっているんです(笑)

ところで、このScenery Censorってお約束はアニメによく出てくるんですよね。だって、障害物で隠す調整が超簡単だから。ただ障害物描けばいいだけ(笑) 上のクレイジー・エックス・ガールフレンドなんか、マイク持ってる手が少しでも下にズレようものなら即NGですからね。

そんなアニメからはリック・アンド・モーティ。リック本体が水槽みたいなのに入って浮いていますが、ちょうど手前の柱で大事なところが隠れていますね。

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Rick and Morty [Credit: Adult Swim]

もういっちょアニメからはアーチャー。国際宇宙ステーションでのミッションをこなすアーチャー達。そして、案の定パムが裸になって空中遊泳しだすと、そこに卓球ラケットと靴下が偶然浮遊し、パムの体の一部を隠します(笑)

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Archer [Credit: FX]

ね、アニメってずるいでしょ。これ実写で撮るとしたら不可能ですよね(笑) だから、アニメのScenery Censorは芸術点が自分の中では低いです。

さて、今回は「カメラに写ってはいけないものが障害物で隠れる」お約束Scenery Censorを見てきたわけですけど、最後のシーン紹介の前に、この原理を少し立ち止まって考えてみましょう。

まず、写したい被写体があります。それを撮るカメラが手前にあります。被写体にはカメラに写ってはいけない部分があるので、それを何らかの方法で隠す必要があります。今まで紹介してきた手法は全て、カメラと写ってはいけない部分の間に障害物を物理的に置くことで、カメラにその像が入らないようにしてたわけです。

さて、ここで質問です。これ以外の方法はあるでしょうか? 下にスクロールする前に、少し考えてみて下さい。他に方法はないかな?と。

一見するとなさそうなのですが。実はあるんです。あったから、この記事ができたと言っても過言ではありません(笑) 上で紹介したのは全て、次に紹介するシーンの前座だったんです。

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それでは行きましょう。海外ドラマ「NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち(The Bold Type)」の1シーン。公園で女性陣が、おっぱい見せて乳がん予防促進運動をしてる場面。

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The Bold Type [Credit: Freeform]

はい、正解は番組のタイトルで隠すでした(笑) 撮影し終わったあとデジタル処理するということで、ちょっとずるいけど、これもなかなかのアイデアじゃない? だめ?

最後に、皆さんもこのScenery Censorのお約束に出逢ったのなら、その裏にはクリエイターの綿密な計算があって成し遂げられていることに思いを馳せてあげて下さい。アニメはどうでもいいけどね(笑) それでは〜