ドラマの中の英語

The Name of the Game Is Communication

「※写真はイメージです」が奇妙に響いた話

広告

f:id:insaneway:20200113235439j:plain
Image by plicka from Pixabay(*写真はイメージです)

連休中に家電量販店に行ってきました。数字が分からないくらいの大画面のテレビがあって、これでネトフリとか見たらどうなるんだろう?と思っちゃいました(笑) あんだけ画面が大きいと、4Kですら全体的にモヤッとしそう。贅沢な悩みですね。昔の低解像度のDVDをそんな大画面で再生したら、昔のゲームのドット絵みたく見えてしまうのでは?と変な心配までしてしまいました(笑) それくらいすごい!

そして、そこに置いてあったパンフレットをパラパラとめくっていたら目に入ってきたのが、記事タイトルの「※写真はイメージです」だったんです。

パンフレット上のとある写真の下にある小さい文字での注意書きです。その写真は、製品のTVが居間に置いてあってそれを家族みんなで見ている状況でした。この文言は皆さんお馴染みですよね?

でも、これって、よく考えたらものすごく不思議な文なんです。「写真は」の「写真」とは、もちろん、パンフレット上に貼ってあるテレビ見て一家団欒してる写真のことですよね。それが「イメージ」ってことは・・・・、あれ? そもそも

写真ってイメージじゃん

そうなんです。写真は元々imageなんですよ。写真撮ったら、imageファイルになってますよね? なんでimageファイル? だって、imageだから。つまり、「AはAである」というトートロジーなんです、この文。

そんなことを考えて、しばらく茫然自失としてたんです。家電量販店のテレビ売り場の前で(笑) (何してんだというツッコミはなしで!)

日本語の「イメージ」ってそもそも何なのさ?!って

一応辞書を引くと「心象」とあるんだけど、それでは意味が分かりませんね。

そこで色々考えてたら、結局「※写真はイメージです」の「イメージ」は「例」と言ってるだけなのかもと気づきました。仮想とかそういった感じ。すると、日本語の「イメージ」には英語の「imagination」が少し入っているのかもしれませんね。「想像の産物」ってわけです。これなら、「※写真は想像の産物です」と「イメージ」より意味が遥かに通じますね。でも、それだと直接的すぎるから、PR上「イメージ」にしてるのか・・・。

別の考えもできそうですね。イメチェンことイメージチェンジという言い方が日本語にあるので、「イメージ」には「雰囲気」の意味が既にあるのかもしれません。そうだとすれば、「※写真は雰囲気です」と、これでも意味は通じますね。

いずれにせよ、結局の所、「あくまでも参考情報として提供してるだけであって実際のものとは違う可能性がある(から購入後に文句を言わないでね)」と言う意味がこの「イメージ」に込められていそうですよね(笑)

すでに30分以上テレビ売り場でテレビも物色せずボーッとしているので、そろそろ店員に怪しまれてきたかもしれませんが、こっちはそれどころではありません。ここまで来たら、もう後には引けないのです(笑) 

ところで、パンフレット上では「※写真はイメージです」の文以外にも単語「イメージ」が使われていることに気付きました。そこで、ブラビアのパンフレットとにらめっこです。ウォーリーを探せならぬ、「イメージ」を探せです(笑)

すると、出てくるわ出てくるわ。30以上ありました。数例を挙げると・・・

*アプリはあくまで設置イメージとしてご使用いただき・・・

*画面はハメコミ合成のイメージです

*背面のイメージ

*イメージです

「*背面のイメージ」なんで、そこに載ってる背景画像は本物なのか偽物なのか、これだけじゃよく分かりませんよね。実際の背面のimageなのか、それとも参考情報としての背面のイメージなのか・・・。そして最後なんて、単に「※イメージです」一言ですからね(笑) もうね、単語「イメージ」の使用なしではテレビパンフレットは作れないんじゃないかって感じ。いや、このパンフレットや製品テレビそのものがイメージなのかもしれませんね(謎)

ところで、日本語パンフレットにこんだけ「イメージ」が頻出してるんだから、英語版はどうなっているんだ?と考えるのは(このブログ的に)それほどおかしくないはず。そこで、家に帰ってから調べてみましたとも。グーグルで「pdf, catalogue, TV」あたりで検索して。

そうしたら意外や意外、これが全く使われてないんですよ。日本のパンフレットは写真が出てくるごとに「*イメージです」のオンパレードなのに対し、英語版はそんな記載一切なしだったのです。

えっ??って感じ。もしかして、「*イメージです」の注記って、日本特有で、法、業界自主規制、メーカーの親切心のいずれかで付けてるんでしょうか? 

こうなったら、えいや毒食わば皿までと、英語のテレビカタログ・パンフレットを50以上ダウンロードして更に調査を続行します。日本語の「イメージ」の意味でimageは英語で使われないのか??

すると、ようやくそれっぽいものが見つけられました! この時点で1時間位調査してます。もうね、視力0.1は悪くなったと思いますよ(笑)

それが、

Screen images are simulated.

だったんです。画面はハメコミ合成イメージの英語版と言ってよいでしょう。つまり、英語ではsimulatedを使っているのです!

そこで、検索ワードを「simulated」に変更して、英語版テレビカタログを再度調べてみました。そうしたら、案の定出てきましたよ!

The scenes are simulated for illustrative purposes. Actual GUI may differ from the accompanying image.

Actual product appearance may differ from the above simulated scene

英語版では「シミュレート・擬似的作られている」と言っているのですね。しかも、日本語版が「イメージです」と単なる一言で済ませてるのに比べ、英語版はちゃんとどうなのか説明していますね。

ほんと、「良かった。意味不明のイメージはいないんだ。AC〜♪」って感じ。みんなこのCM知ってるかな?(笑)

つまり、ここまでをまとめると、日本語は単語「イメージ」の持つイメージを最大限利用して全部「イメージ」の一言で済ましているのに対し、英語は「simulate」を使ってちゃんと説明してる、って感じですね。

ところで、今回調査している時に面白い英語フレーズを見つけることができたので、そっちもついでに紹介しときます。それが「※The photo is a sample image.」。

私は当初てっきりこれが「※写真はイメージです」に対応する英語フレーズだと思ったんです。グーグルで検索しても大量にヒットするし。そして、日本語の「イメージ」をsampleと訳し、パンフレット上の画像自体をimageとしているので、日本語の「イメージ」が持つ2つの曖昧さがうまくsampleとimageに分離されてるなってニヤリとしてたんです。

でも、このフレーズで検索すると出てくるサイトを眺めていたら、あることに気付きました。

あれ? このサイト群、全部日本のサイトの英語ページやんって(笑)

そうなんです、「※写真はイメージです」というフレーズを日本人は一律「※The photo is a sample image.」って訳しているのですね。誰がそう訳し始めたか知りませんが、興味深い現象です。はてなブログのSome errors were happenedに通じるのかも。

いずれにしても、皆さんが今度「イメージ」という単語を使うときは、どういう意味で使っているのか自問自答すると面白いかもしれませんね。

それでは〜