『ビッグバン★セオリー』オープニングのロゴ
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

9ヶ月ほどの海外滞在中に、シットコム『ビッグバン★セオリー(The Big Bang Theory)』を全シーズン通して三回(最初の二回は英語字幕、最後は字幕なし、計600エピソード?)観ましたが、英語の勉強に本当に良い教材でした。今、新しいシーズン9が始まっている最中ですが、非常に楽しみです。さて、なぜこのドラマが英語の教材としていいのかというと、5つの理由があると個人的に思います。『ビッグバン★セオリー』以外でもこれらが適用できれば良い学習教材だと思います。

一話が短い

たった20分なので、空いている隙間時間に観ることができます。一時間近くかかるとちょっと構えてしまいがちですが、20分なら、例えば最初は英語字幕ありで、次は字幕無しで、といったこともできます。 登場人物固定

これも最初の数回頑張って慣れれば、後は勝手知ったる登場人物だけで話が展開されるので、内容に集中できおすすめです。最初はギーク4人+ペニー、最近は4+3人がメインですからね。刑事ドラマなんかでも勉強にいいんですが、毎回新しい犯人が出てきて、そういった背景を理解しないといけないのが初学者には苦痛になります。

お約束ネタ

同じネタを何回も使うので、内容がイマイチ理解できなくても笑えます。せっかく見るからには、いくら勉強と言っても、楽しまなくても長続きしませんものね。

シェルドンの座るポジションネタとか、トントントンペニーネタとか、レナードの乳製品アレルギーネタ、今はないバズィンガ、ハワードとラジのホモネタ、ラジのエミリーシナモンどっち?ネタ、ハワードものまね、ハワードのママネタ(バーナデットのものまね)、インド人・ユダヤ教差別ネタ、シェルダンママ v.s. レナードママ、エイミーの今更デビュー、ペニーが影響受けて賢くなるとか。

一部ネタは伝統芸能の域に達しています。

会話が知的

基本的に会話で話が進むので、他のドラマに比べて会話の内容が半端無く濃いです。20分といっても心してかからないと聞き逃すことも。古美門研介ばりにシェルダンが長セリフを言う時もあるし。また、彼らは異常に知的なので、パラフレーズするし、通常で無い単語を使います。一番有名なのはcoitusでしょうか。日本語だと性交だけれど、ラテン語ですから、”まぐわい”とかそんな古い言葉を使っている感じでしょうか。だから、初期の頃はcoitusって言うなー、なんてまわりから言われてましたからね。ちなみにシェルドンは最初sexって言ってるんですよね〜当初の人物の設定があやふやだったことが分かりますね。ノックの回数三回以上だし。閑話休題。このドラマを観ていてハッキリ分かったのは、こういう人達がIELTSのスピーキングとかで9.0取るんだろうなと。

高尚な会話だけでは飽きるものですが、ペニーの存在がわりかし大きくて、時に、難しい概念をペニーに理解してもらうためにわかりやすく言ったりするし、ペニーの友達の次元に下りて会話を合わせもするし、そのへんのメリハリもある。その場面にふさわしい形容詞が出てこなかったり。後でtextしてよね。

繰り返し観ても新しい発見

自分の英語力が上がるに連れてドラマ内のいろいろな発見が後からありますので、繰り返し視聴に堪えうります。一種のアハ体験でしょうか。安野光雅の旅の絵本のように、繰り返し観ても飽きないのです。この場面では皮肉を言ってたんだなとか、ここでは言葉遊びしているとか。小難しい科学用語を除いて70%くらい理解できれば、ドラマ自体は楽しめますが、一年後にまた観ても新しいネタを見つけられるのは嬉しいですし、モチベーションにつながります。

以上のように、英語の勉強にすごいなるし、ラジのアクセントを真似たいし、粋なフレーズを実際使ってみたいし(ちなみに、IELTSのライティングで個人的にergoを使いたいです。thus, hence, thereforeなにそれ?)、for the recordからの自分の知識をひけらかしたいし、病気の人にはsoft kittyを歌ってあげたいし、落ち込んでいる人にはhot beverageを出したいし、BTTFを真剣に語っているエピソードで英文法を正しく適用するため大大大大過去のhadが沢山付く文を理解したいし、なまらオススメ過ぎます。シーズン10までは出ること確定しているので、250エピソード毎日平日一話一年通して観れますねw ちなみに、netflixでちょっと確認したところ、日本語字幕と吹き替えはちっとも勉強にはなりませんね。英語字幕と生英語、これでしょ!

今までに英語字幕で『ウォーキング・デッド』、『フレンズ』、『ブレイキング・バッド』、『メンタリスト』、『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』などを観ましたが、正直字幕を読むスピードが速くなっただけで、実際身についてはいなかったんですよね。だけど、『ビッグバン★セオリー』は全然違って、使ってみたい表現だらけで、自分でも驚いています。運命の出会い的な。知り合いの外国人に日本語が上手い人数名居ますが、彼らが一様に言うには、日本語は日本の面白いドラマ・アニメで習ったということなのです。ドラえもんだったり。確かに、海外の本屋に良い日本語の教科書が売っている(日本の本屋の英語学習棚のような)場面は想像できませんものね。映像で話すための言語を倣うのは自然なのかもしれません。もっと早く出会っていれば、と後悔しています。。

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