What Kind of ○○ Are You?

What kind of...?は「どんな種類の〜?」という英語習って最初の方に出てくる疑問文ですね。

What kind of dish is this?

と言ったら、メニューの料理がどんなものか聞いてるといった寸法。

ただ、海外ドラマを見てるとたまに「What kind of ○○ are you?」で相手のことを強く非難するパターンが出てくるんです。例えばこんな感じ:

真夏の猛暑の中、母親がパチンコに出掛けます。ちょっとだけのつもりで、赤ちゃんを車の中に置いていくんです。車内は温度が急上昇し、赤ん坊が泣き始めます。しかし、その悲痛な叫びは軍艦マーチに邪魔され母親の元には届きません。だんだんと赤ん坊の声が弱まっていき、また同じ悲劇が繰り返されるのかと視聴者が落胆していると、偶然通りかかった通行人が赤ん坊の声を聞き110番。間一髪赤ん坊は無事保護されます。そんな騒動を露ほども知らず、母親がパチンコ屋からのんきに出てきます。すると、その母親に向かって警察官が言うんです「What kind of mother are you?」って。

シングルマザーなのか? 子供は他にいるのか? ここでは、そういうことを聞いてるのではありませんね。怒って非難してるんです。だって、母親が果たすべき責務を果たしていないんですから。言外、母親としての資格がないと言ってるんですね。「どんな母親だ?(反語でどんな母親でもない)、それでも母親か?(反語で母親じゃない)」って感じ。これが、「What kind of ○○ are you?」が強く非難する響きになるメカニズムです。

それでは、海外ドラマからの実際のシーンも見てみましょう。

『ブレイキング・バッド』の例1

麻薬取締局捜査官ハンクはカルテルの暗殺者の双子に殺されかけますが、なんとか窮地を脱します。しかし、体に銃弾を何発も受けて死線を彷徨ってる状況。妻のマリーは、怒りのはけ口をハンクの相棒のゴメスに求め、以下のセリフ。「What kind of partner are you?」は、相棒なら一緒にいて助けるべきということ。でも、ゴメス本人はこの時メキシコに居たんだから、八つ当たりもいいところです。夫への愛情がそうさせているんですけどね。

マリー: You. What kind of partner are you? You were supposed to back him up, and where were you? Where were you?

Breaking Bad/Season 3/Episode 8

『ブレイキング・バッド』の例2

次も『ブレイキング・バッド』から。ジェシーがドラッグ代をくすねたクスリ中毒カップルの家に押しかけたのが次のシーン。子供が汚い寝室でほったらかしにされているのを見て、激おこのジェシー。「What kind of mother are you?」と言ってから、子供をいたわる発言のジェシーです。根は優しいのが見て取れますね。↓に拾った画像を貼っておきました。それにしても汚い。コンマリが必要です(笑)

ジェシー: What kind of mother are you? How about you feed the kid a decent meal every now and then, huh? Give him a bath. Put some baby powder on him. Get him some decent TV to watch. I mean, what is this shit?

Breaking Bad/Season 2/Episode 6

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Breaking Bad [Credit: AMC]

最後に

今回はWhat kind of ○○ are you?で非難の響きになる様子を見てみました。結局、○○の資格がないというニュアンスになります。調べた感じだと、○○に入るのはやはり父・母が多い感じですね。それだけ、海外ドラマに登場する父母はその役割を果たしていないってことなのかな。まあ、面と向かって言われたくない表現ではありますね。

What kind of blogger are you? あれ? 言われても全然平気だ。思った以上に強く響かないぞ(笑) まあ、ブロガーの資格ってそもそも何よ?って感じですけど。