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ビッグ・リトル・ライズはゲーム・オブ・スローンズで有名なHBOが2017年に解き放った上質のミステリだ。エミー賞をいくつか取ってたり、IMDb での現時点の評価が★8.6であることから分かる通り、必見であることは疑うまでもない。ミニシリーズでエピソード数が7と週末ビンジ・ウォッチングに最適な作品と言って良いと思う。以下小さいネタバレが多少含まれます。

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物語はある学校でのコスプレイベントでの死亡事故から始まる。だが、誰が被害者で、事故死か、はたまた殺人の場合は誰が殺したのかは視聴者には全く知らされない。これは最後の最後まで隠される。そこからフラッシュバックでこの死亡事故に至るまでのことが時系列に説明されていく感じ。

最初の起点はシングルマザーのJaneと息子のZiggyがこの物語の海の町に引っ越してきて小学校の入学式に出席するところから始まる。同じ学校に通う子供を持つMadelineは、朝娘のChloeを車で送る途中に足をくじいてしまう。結果的に、この挫きが事故/殺人に至るというのが面白い。歯車が少しずつ狂っていき最終的にトンデモナイ結果、これこそバタフライ効果と言えるだろう。ちなみに、この足くじいたことが結果的に死亡事故に通じるのは、メインのフラッシュバックの途中に入る色々な証言者の証言から分かる。このように、メインのストーリーは入学式から事件当日コスプレイベントまでを時系列で追うのだが、途中途中に事件後の証言が入るので死亡事故のヒントになったり、単に視聴者を混乱させるだけだったりする。あと登場人物の説明にも一役買う。

このZiggy含めたのクラスメイト5人の家族(主に母親)がBig Little Liesのメインキャラクターだ。初日にMadeline, Janeと元弁護士のCelesteがママ友チームを結成し、実業家のRenataに対抗するのが基本図式だ。もう一人の母親Bonnieは夫がMadelineの元夫であることから関係してくる。子供同士のいじめを軸にし、この5母のいざこざでストーリーは展開していく。各家族も問題を抱えていて、Madelineは元夫との間の娘との関係、Janeは子供の父親、Celesteは家庭内暴力等々。ちなみにMadelineの現夫はAdam Scottが演じてて、髭生やしているからパークアンドレクレーションで見慣れてたはずなのに分からなかった(最後髭剃って気付くw)。

さて、先に述べたように視聴者はコスプレイベントで誰が死ぬのか全く分からないのだが、エピソードが進むにつれ、全家族のテンションが高くなって精神的に行き詰まって行き、最終話では誰が死んでもおかしくない一瞬触発の状態に陥る。しかし、探偵物のように結末を推理するのは不可能なので、頭を空っぽにして楽しんだ人が勝ちの作品かもしれない。それでも、誰もが殺人の動機を持つよう持っていった脚本は素晴らしいの一言。

最後の結末は多分色々議論はあるだろうが、タイトル「ビッグ・リトル・ライズ」の真の意味が最後にわかったので自分はよしとする。見終わった後、もう一度見返したくなる作品です。

↓シーズン2来たー www.serendipity.page