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The 100 [Credit: The CW]

放射能汚染で地球に住めなくなってから三世代の時が流れる。宇宙に逃れ宇宙船で密かに暮らす人類は、地球に戻れる日を夢見て日々なんとか生きていた。宇宙ネイティブが殆どとなった現在、宇宙に残った人類には密かな、しかし確実な危機が迫っていた・・・

こう書くとバリバリのSFっぽいんだけど、ドラマ自体は実はそうでもなかったりする。要は、食料とか酸素が足りなくなったんで、このままでは全滅してしまう、という状況。そこで、囚人100人を地球に送り、地球の汚染状況や地上で暮らしていけるのかを、囚人の人体を使って調査することにする。だから、タイトルにある100はこの囚人100人を指しているわけ。

面白いのが、送られる彼らは全員ピチピチティーネージャー。というのも、宇宙では、大人の犯罪は即死刑という厳しいもの。無駄飯を食わす余裕はないというわけ。また、食糧危機が迫っているので、100人の囚人を島流し(地球流し)することは、食料・酸素の消費を抑えられる一石二鳥の策でもあったのだが・・・

このドラマ、設定自体は非常に面白いんだけど、色々詰めが甘いところがすけて見えてしまうのがものすごく残念。例えば、100人は全員リストバンドを付けていて、それが各個人のバイタルを宇宙船に送り、そのバイタルサインで地球に住めるのかどうかを判断するというまどろっこしい方法を大の大人たちが取ってるのだが、直接連絡を取る無線トランシーバーを渡してないので、100人にリストバンドを外されるという反逆にあってしまう。囚人100人は、後から大人たちが地球にやって来たら罪人のステータスに逆戻りということで、自分たち100人だけで地上生活を満喫しようとするわけだ。ここでは子どもたちのほうが理性的な判断をしている。というか、バイタルサインが消えていくモニターを見て、我が子の死を悲しんでいる大人たちには、計画をもうちょっと練ってから送り出せよと、茶の間からツッコミが入ったであろうことは想像に難くないです(笑) しかもこの大人たちが宇宙で利権争いもどきをしてるのも、大人たちのアホさ加減に拍車をかけるんです。いや、この送られた子どもたちがスマートだとは全く思わないけどね。彼らは彼らで衝動的に自己中心的に生きていて、人類が宇宙で退化したことを茶の間に証明してくれます。

本ドラマはどこかで一回は見たクリシェだらけ、クリシェの総合デパートって感じ。子どもたちは当然専門知識がないので、病気にかかった時治療で一苦労する。医者が居ないのに、必要最低限の医療器具で手術をしなくてはいけないのは、おなじみのパターンですね。あとは、幻覚きのこを誤って食べてみんなでラリるとか、本来乗船するべきでない人物が来ちゃうとか、裏切り者は追放するとか、原住民と恋に落ちるとか、禁断の恋は引き裂かれる運命とか・・・

そういったお約束がこれでもかと詰め込まれた本作The 100を見ていたら、昔あったLOSTを思い出した。基本的に全く同じ設定じゃない? 放射能の関係で変な生き物も出てきて、奇妙な自然現象もあって、しかも前の世代から隠されていた食料庫兼地下シェルターみたいなのもあって。フラッシュバックはそこまでないけれど。一回そう見えてしまうと不思議なもので、自分には途中からLOSTにしか見えなくなってしまった。そして、不運なことに自分の中でLOSTの評価があまり芳しくないのもあって、このThe 100もこのまま見続けるかどうか、現時点で微妙な線を行ったり来たりしている感じ。シーズン1の最後の方までは来たんだけどね・・・。これから面白くなるという話もあるし、でもLOSTだし・・・(笑)

現在、アメリカではシーズン5が始まったばかり。シーズン2を見終わるまで評価は保留しようかなと思ってます。

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