wholeって「全体」の意味は知られていますが、副詞で「完全に」の意味があるのは案外見過ごされがち。聞けばわかるんですけどね、会話で頻繁に使われるので。でもいざ自分が使うとなると咄嗟には出てこないもんです。ということで、海外番組等から使われ方を拾ってみたいと思います。

Whole Different Story

プリズン・ブレイクのシーズン1最終話から。刑務所からの脱出に成功した一行。スークレは路上駐車してある車に押し入り、鍵無しでエンジンを動かそうと例のケーブルを接触させる方法で悪戦苦闘の最中。できるのか?と周りから問われると、「できる」と言ってから、ただしAcuraと中国車はwhole different storyと述べます。つまり、それらの車種はできないってことですね。このwhole different storyもよく出てくる言い回し。「躾は重要だけど、体罰はwhole different story」とか英語でサラッと言えるとイケメンです。

スークレ: Now, if it were to be an Acura, or one of those Chinese cars, that's a whole different story.

Prison Break/Season 1/Episode 22

f:id:insaneway:20191114141915j:plain
Prison Break [Credit: Fox]

A Whole New World

ディズニーのアラジンの主題歌A whole new worldがまさにこのwholeでした。魔法のじゅうたんから眺めた世界、あなたと一緒の世界は完全に新しいということ。単なるnew worldでなくwholeですから、世界が一新されてしまってる感じですよね。

A whole new world

A new fantastic point of view

No one to tell us no

Or where to go

Or say we're only dreaming

A Whole New World

www.youtube.com

ママと恋に落ちるまでから

テッドが子供たちに語りかけるお馴染みのシーンから。もしロビンに話すのをステラに許してたら、この物語の一部始終は異なる終わり方をしたと、仮定法で述べます。まあ、そうならなかったのですが。

テッド: And kids, if I had just let Stella talk to Robin, this whole story might have ended differently.

How I Met Your Mother/Season 4/Episode 5

はい、ちょっと引っ掛けでした。このblogはたまにあるんです。すみません。

ここでのwholeは「全体の」という形容詞の方ですね。whole storyで「全体の話」の意味。whole different storyとの違いはdifferentの有無だけですが、意味は「完全に」違うんですね。面白いので(引っ掛けで)取り上げてみました(笑)

最後に

今回はwholeの副詞での使用例「完全に」を見てみました。これをスピーキングで使えるとカッコいいと個人的に思います。totallyとかcompletelyでも良さげですが、アラジンのテーマが「A Whole New World」でなくなったら、ちょっと違和感ですよね。ちなみに調べていたら、whole damnという言い方も頻繁に出てくる表現ですね。whole damn thingとか、whole damn worldとか。この場合のwholeは「全体」の方の気がします。whole worldを罵ってwhole damn world。