じゃんけんの英語「Rock, Paper, Scissors」の順番と語源
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英語での「じゃんけん」についての質問
英語に冠するポッドキャスト『A Way with Words』に「じゃんけん」について興味深い質問が来てました。
「じゃんけん」の英語名称「rock, paper, scissors」の順番についてです。
ちなみに、知らない人向けに解説しておくと、rockが「石」なのでグー、paperは「紙」なのでパー、scissorsは「ハサミ」なのでチョキですね。
この質問者はじゃんけんを「paper, scissors, rock」という順番で呼ぶように育ったんですけど、大人になって他の人からそれは違うと指摘されたんだとか。ちなみに、日本語だと「グーチョキパー」の順が一般的ですよね。他の順番ってあるのかな? でも、アメリカ内だと順番は結構まちまち。一応、現在の標準は「rock, paper, scissors」みたいですけど、この番組の言語学者のホストが過去の新聞を調べたら、数学的に可能な順番が全ての出てきたのだとか(笑) 面白いですね。
ちなみに、手元の和英辞郎を「じゃんけん」で調べてみると・・・
じゃんけん
paper, rock [stone], scissors ; paper, scissors, rock [stone] ; scissors, rock [stone], paper ; scissors, paper, rock [stone] ; paper-scissors-stone ; scissors-paper-stone ; scissors-stone-paper ; stone-paper-scissors ; stone-scissors-paper ; paper-stone-scissors, paper-rock-scissors, paper-scissors-rock, rock [stone], paper, scissors, rock [stone], scissors, paper, rock-paper-scissors, rock-scissors-paper, scissors-paper-rock, scissors-rock-paper
うわー、なんかめっちゃ出てきたw 英国のstoneバージョンもカバーしてるので、すごいボリュームになってます(笑)
この遊び「じゃんけん」の名前
でもね、個人的に、ここである疑問がふとよぎったんです。
あれ?英語には日本語の「じゃんけん」みたいなゲーム自体の名称は無いの?
そう、彼らが順番はともかく、「じゃんけん」を「rock, paper, scissors」という呼称しているってことは、日本語だとゲーム自体を「グーチョキパー」と呼んでいるようなものなんですね。
ゲームの名前を全ての手の列挙で表現しちゃってるんです。
これってかなりアホじゃね?! ゲームの「チェス」をキング・クイーン・ビショップ・ルック・ナイト・ポーンと駒の名前を列挙して呼んでるようなもんじゃないですか(笑) これじゃあ、名称の順番がゴチャゴチャになるのも無理はないですよね。
「じゃんけん」の発祥
こうなると気になるのが、そもそも「じゃんけん」の発祥って??
そこでWikipediaを調べると、面白い事実が。
Rock paper scissors
20世紀初頭、じゃんけんはアジアを超えて広まった、特に日本の西洋との接触を通じて。じゃんけんの英語名は、それ故、3つの手のジェスチャー、石、紙、ハサミの訳から取られた。
By the early 20th century, rock–paper–scissors had spread beyond Asia, especially through increased Japanese contact with the west. Its English-language name is therefore taken from a translation of the names of the three Japanese hand-gestures for rock, paper and scissors
「じゃんけん」のゲームは古くは中国発祥で、アジア各地に輸出され独自に発展。そして、日本バージョンの「じゃんけん」が西洋に広まっていったんだとか。だから、記事冒頭のポッドキャスト『A Way with Words』の番組最後に日本語の「じゃんけんぽん」が出てきたのか。
ゲーム自身はアジアでの数えゲームに遡れそうだ、例えば、日本の「じゃんけんぽん」など。
The game itself appears to go back to counting games in Asia such as Japanese jan ken pon.
ああ、その時に手を意味する「グー・チョキ・パー」だけでなく、ゲームの名称「じゃんけん」も一緒に輸出してあげていれば、外国人がゲームの名前でこんがらがることなかったのに(笑) そして、自分が海外行ったときに「本場日本のじゃんけん(Janken)を見せてあげる」とかネタにできたのに(笑) 本当に残念。
いずれにしても、英語で「じゃんけん」は3つの手「rock, paper, scissors」を列挙して呼称としていて、その順番にネイティブが混乱しているという意外なお話でした。それでは〜
「ゆびきり」になると・・・↓
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