they called the game early for a science fair.
Numbers

WBCを見ていたら・・・

なんかコールドゲームになりそうなので、昔書きかけてあった「コールドゲーム」の記事を試合見ながらリライトしてみます。

まず、子供の頃はコールドゲームと聞いたら、寒い方のcoldと思っていたもの。雨とかでもコールドゲームになるので、寒いからコールドは子供心には妙に納得行っていたのです(笑)

しかし、英語ができるようになった今では、このコールドが「called」なのは容易に推測できますね。この場合、callするのは審判です:

call

(スポーツ)レフリーや審判として決定する。

(sports) To make a decision as a referee or umpire.

つまり、一般的にコールドゲームは審判がある種の決定を下したゲームということ。

野球の審判
Image by Keith Johnston from Pixabay

野球専門の用語として

ただし、これだけではどんな種類の決定かは分からないのですが、MLBでは「call」「called」に特別な意味をもたせているようです:

Official game (baseball)

規定イニングがプレイされる前に審判によって中止された試合(MLBのルールでは「コールド」)は・・・

A game that is stopped (“called” in the MLB rulebook) by the umpires before the regulation number of innings have been played may be considered…

これは実際、MLBのルールブックに載っていますね:

4.00 Starting and Ending the Game

(d) ホームチームの打順が主審に手渡されてすぐ主審は球技場を任され、その瞬間から、ゲームが天候や球技場の状態によりコールドになるか中断されるか再開されるかを決定する唯一の権限を持つ。

(d) As soon as the home team’s batting order is handed to the Umpire-in-Chief, the umpires are in charge of the playing field and from that moment shall have sole authority to determine when a game shall be called, halted, or resumed on account of weather or the conditions of the playing field.

ということで、MLBでは審判が天気や球場のコンディションで中止する権限があって、審判がその決定をするのを動詞でcallと言っている。つまり、callされた試合(game)はcalled gameということですね。

なお、今やってるWBCのように、点差が極端に離れた際の特別な試合中止は、それぞれのルールブックによるみたいです。実際、2023 WBCの今回のルールブックでは:

Early Termination for Large Leads

主審はトーナメント第一ラウンドの有効試合をコール(call)し、勝利を連盟チームに与えるだろう、次の時はいつでも:

  • 連盟チームが7回以降で10点以上リードした場合・・・(略)

The umpire-in-chief shall call a regulation game in the First Round of the Tournament and award the victory to the Federation Team that is ahead whenever:

• Such Federation Team is ahead by 10 or more runs after any complete inning, beginning with the completion of the seventh inning;…

という感じですね。これはMLBには無い特別なルールで、それもコールを動詞として使っています。

最後に

今回は野球で使われる「コールドゲーム」という用語が、実は英語でcalled gameだという紹介でした。ちなみに、英語ではcalled gameと形容詞的に使うよりもcall a gameのように動詞として使っているパターンのほうが多いですね。

そうすると、日本語で審判が試合をコールドゲームにすることを何と呼ぶのかという問題が発生して、といっても「コールドゲームにする」としか言えないので、そういう意味では、日本語では「コールドゲーム」自身がある種の単語化していると言えるかもしれません。あ、実際のWBCではコールドゲーム回避。フラグですね(笑) それでは〜


ピンチヒッターだと・・・?↓