仮定法であるある

教科書の中では仮定法は最後に出てくるラスボス感がありますが、ドラマの中ではごくごく普通の表現。もし◯◯だったら・・・や、あの時◯◯していれば・・・なんて通常の感情表現の一部ですよ。特に後者は、視聴者もストーリーがわかっているので、仮定法なんて大仰に気構えなくても、すんなりと主人公の後悔が分かるというもの。教科書でI wish I were a bird.なんて文を暗記する必要なんてまったくありません。手元のDBで検索すると、I should'veで200件は出てきます。I wishで260件。今まで出てきたイディオムや単語に比べて段違いの多さであることが分かりますし、仮定法はドラマの中では単なる日常会話の一部です。

I wish / 〜だったらなあ

『ビッグバン★セオリー』シーズン2 エピソード10から。医者のステファニーと付き合いだしたレナード。本人は付き合っているつもりはなくても、部屋の中にファンシーな小物などがいつのまにやら増え、ついにはチクチクするズボンを普段から着ることになってしまいました。そこで、下記場面。ペニーが地下洗濯室に入ってきたところから会話スタート。レナードとしては、もう着たくもないズボンなんてダメになってもらって結構。でも、ステファニーへの言い訳のため、「すぐ言ってくれたら良かったのに」と言いつつ、コイン洗濯機を回し始めます。止めようと思えば止められたのに。このように、仮定法と言っても、色々な使い方がありますね。ダメになるの知っていたのに、仮定法。

ペ:Oh, hey.
レ:Oh, good.
  Do you have any fabric softener?
ペ:Yeah, sure.
  What are you washing, a crocodile?
レ:No. The pants that Stephanie got me.
ペ:Oh, sweetie, you can't machine wash these.
  They'll be ruined.
レ:You sure?
ペ:Absolutely.
レ:Oh, no. I wish you'd told me that sooner.

The Big Bang Theory シーズン2 エピソード10

I should've / 〜するべきだった

『スーパーガール』シーズン1 エピソード2から。ヘンショーからの電話を受けたスーパーガールのカラは、養ってくれた姉が誘拐されたことを知り、基地へ向かいます。そこで、ヘンショウへ不満を爆発させる際に、私が居ればこんなことにならなかったのに、と鬱憤を伝えるのに仮定法です。このシーンでは他にもイロイロ使っているのが分かりますね。ちなみに、家族が「居た」と答えたヘンショーも重い過去を持っていることが伝わってきます。

カ:Hello.
へ:It's Henshaw. There's been an incident.
  Your sister's been abducted.

カ:I should've been there.
  If I was there...
  If you trusted me instead of putting me through your tests, I could've stopped this.
へ:Or maybe you'd be captured and dead too.
カ:I know, to you, she's just an agent, but to me, she's my family.
  Does that mean anything to you?
  Do you have a family?
へ:I did.

Supergirl シーズン1 エピソード2