『サムライジャック』の番組宣伝ポスター
Samurai Jack [Credit: Cartoon Network]

『サムライジャック』のあらすじ

『サムライジャック(Samurai Jack)』は侍をフューチャーしたアニメ。主人公ジャックの父は日本と中国がミックスしたようないわゆる西洋から見たアジアな国の皇帝で、過去悪霊アクを魔封波で封じ込めて妻と子供と幸せに暮らしていた。しかし、アクが何らかの原因で自由の身となり、皇帝の国に襲いかかってきたから大変だ。一応このことを予期していた皇帝は、綿密なプランを既に練っていた。自分の子供(ジャック)を海外へ修行に出し、成長後仇を討ってもらうという相当長期に渡る計画。これを見るにつけ、彼は皇帝なんかより中長期計画を策定する際に企業の経営企画室を支援するコンサルが天職だっただろう(笑)

閑話休題。皇帝はアクの襲撃察知後、子供を海へ逃し、自身はアクに立ち向かう。しかし、アクのパワーは強大すぎて国ごと奴隷にされてしまう。主人公ジャックはいろいろな国で修行し、成人後故郷に戻ってくる。すると懐かしの故郷の風景はそこにはなく、アクに支配され、父親の元皇帝も北斗の拳第三部のファルコの要塞の電気ジェネレーター係みたいなことを強いられている(笑)

当然ジャックは父を助けた後、アクに悠然と襲いかかり、聖なる刀の力も借りて勝利目前まで最後の一太刀というところまで行く。だが無念にも、このアクの力によって遥か未来へと飛ばされてしまうのだった。そしてその飛ばされた未来はアクに支配されており、宇宙の星々から極悪人を受け入れるディストピアになっていた! その未来で一介の侍が如何にして昔の時代に戻るのか、その悪戦苦闘の軌跡と宿敵アクとの対決を余すこと無くアニメ化したのがこのアニメ『サムライジャック』なのだ。

『サムライジャック』でアクとジャックの対峙
Samurai Jack [Credit: Cartoon Network]

『サムライジャック』の感想

本作品は2001年にシーズン1がスタートしたが、シーズン4を最後に中途半端に制作が中止されていたようだ。しかし、今年2017年にシーズン5の完結編が作成され、無事にエンディングを迎えられたという感じの経緯があるみたい。自分は侍という時点で西洋視点の侍アニメと踏んでふて寝を決め込んでいたが、外国人がかなり評価しているので観ることとあいなった。今年2017年のベストという批評家も居た(笑)

詳細な感想はここではあまり述べないが、敵キャラのアクも実は憎めないキャラなのが面白い(アクに萌えたい人はシーズン1エピソード13がおすすめ)。あと映像がそんなに動きがあるわけじゃないけど、非常に美しく感じた。陰と陽というか影の使い方がはっとさせられることが何度かあった。ストーリーも色々な有名映画(侍だけに七人の侍等)や各地の神話をテーマにしたりしてて、知ってるとクスリとなるかもしれない。基本的には過去に戻れるあと一歩手前でアクから邪魔が入るとか、アクを倒せそうなのに最後に逃がすとかいうパターンが続く。過去に戻って過去のアクを倒してしまうとこの未来はどうなるんだというタイムトラベルにありがちな疑問は考えないほうが良いだろう。全編見るにはちょっと長いので、ショートカットしたい人は、シーズン1の最初数話を見てからシーズン5に跳んでも全く問題ない。最終シーズンは女性キャラのアシが出てきて彩りを加え、筋が収束して行き途端に面白くなる。

『サムライジャック』の英語

さて、英語勉強の観点で見ると、Samurai Jackは結構良いマテリアルかもしれない。まず、セリフが極端に少ない。一作品20分程度だが、『ビッグバン★セオリー』と比べると(実際、英語字幕の単語数を調べてみたw)、セリフ量は六分の一くらいしかない。これはジャックが無口であることも多分に影響している。その代わりに先に述べた秀麗な映像で語っているのだと思う。あと、ジャックの英語がぜんぜんカジュアルじゃないので、多分日本人には相当聞きやすい。つまり、音の省略とかネイティブがやってるのをやらない感じ。ジャックが未来に行ってすぐ会う未来人(こいつらから「ジャック(奴)」と呼ばれ、それが名前として定着)との会話ではその差が歴然としている。そしてたまに出てくる中難易度の英単語もボキャブラリー増強に約立ちそう。「unleashed an unspeakable evil」とかね。ま、ストーリー自体は予想通りの王道進行なのは否めないけど、今海外では結構話題だし、IMDbでも★8.5とすごい高評価なので、先に示したショートカットで見るなら見ても損はないかと思います。

『サムライジャック』でジャックとアシのキス
Samurai Jack [Credit: Cartoon Network]

『アーチャー』は・・・↓