昨今の「Slave」廃止圧力

昨今、ポリコレことポリティカル・コレクトネスと言う下地の中、BLM運動なんかもあって、slaveという名称を止めようという風潮が出てきています。

[ITmedia] Linuxカーネルでの「master/slave」と「blacklist」禁止、トーバルズ氏が承認⤴️
[ITmedia] IT用語も「奴隷」廃止の動き 「slave」は「フォロワー」や「レプリカ」に⤴️

人種差別を連想させたり、語源そのものが人種差別だからですね。

ところで、slaveには「奴隷」の意味がありますよね。そこから、句動詞「slave away」に「奴隷のようにあくせく働く」の意味が出てきます。

slave away

(自動詞)非常に一生懸命働く。

(intransitive) To work very hard.
ティリオン: Excellent lamprey pie. Were you slaving away in the kitchen all day?
『ゲーム・オブ・スローンズ』で、ティリオンはサーセイの作ったパイを褒める
Game of Thrones [Credit: HBO]

「Slave Away」で笑いを追求する脚本家

ただ、動詞がよりにもよってslaveなので、ポリコレで眉をひそめる人もいます。でも、そこにギリギリの笑いを求めるのがテレビの脚本家なんですね。

タイタス: I have been slaving away. racist.
『アンブレイカブル・キミー・シュミット』で、タイタスは「slave away」を使ってから、人種差別と言う
Unbreakable Kimmy Schmidt [Credit: Netflix]
リック: Y-Y-You got the people on this world slaving away making your power. I mean, that’s what I call slavery.
『リック・アンド・モーティ』で、リックは自分のことを棚に上げ、奴隷化してるのを非難する
Rick and Morty [Credit: Adult Swim]

シットコム『ビッグバン★セオリー』では、更にブラック(pun intended)に料理されていたので、以下詳しく紹介します。

シェルドンはサンクスギビングデーにハワード家に行きたくありません。そこで、連れられて行くことをアフリカの奴隷に例えます。これにエイミーが激おこ。

シェルドン: Now I know how the African slaves felt. Being dragged from their homes to labor under the yoke of the white man.
エイミー: Are you honestly comparing Thanksgiving dinner at Wolowitz’s mom’s with one of the greatest tragedies in the history of mankind'?
『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンは自分をアフリカの奴隷に重ねる
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

行く車中でも、シェルドンは止まりません。最後の「Yes, Miss Amy.」はご主人さま(マスター)に言っている感じですね。

シェルドン: Coming from Africa to America.
エイミー: Sheldon, that’s completely inappropriate. You can’t keep comparing yourself to a slave.
シェルドン: Yes, Miss Amy.
『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンは自分をアフリカから連れてこられた奴隷に重ねる
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

そして、最後は当然「slave away」で〆ます(笑)

シェルドン: It smells wonderful. Is anyone slaving away in the kitchen?
『ビッグバン★セオリー』で、ハワード家に着いたシェルドンは、いい匂いがすることを伝える
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

シェルドンのセリフだけだと問題になるので、シェルドンを徹底的に否定する役を番組ではエイミーに与えているのが分かります。

最後に

句動詞「slave away」は実際にはあまり出てきませんが、こんな感じで複数の脚本家がネタにしていたので紹介してみました。こんなニッチなネタをやってるのはこのブログだけだな(笑) slave awayは馬車馬のように働いた際に使ってみて下さい。それでは〜