「A is one thing, B is another」取説

「A is one thing, B is another」の表現が使われるのは、Aに比べてBがかけ離れている時です。例えば、彼女を作るという話をしている時に、「好きな子を見つけること is one thing, その子を自分に惚れさせる is another」と言ったりできます。つまり、好きな子を見つけることは合コンとか参加してればそのうち見つかるんですが、その子を実際自分に惚れさせることはまた別の次元の話、更に難しい、というニュアンスですね。

他には、この表現で相手の行動の行き過ぎを臭わすこともできます。例えば、過激な環境保護活動をしている友人に、「海の生態系を守る is one thing, 捕鯨船を攻撃する is another」と言う具合。生態系守ろうとしてるんだろうけれど、攻撃は行き過ぎ、全然別の話だよね、という感じ。

それではいつものように、海外ドラマでの使われ方を見て、AとBがどのくらい別物か見てみたいと思います。

海外ドラマでの「A is one thing, B is another」

『24』から

ジャックはトニーを担当から外します。というのも、トニーは任務中に間違いを犯しましたが、それを隠蔽した(cover up)からです。ミスと隠蔽は話が違うんですね。これは、このフレーズのうまい使い方。

Making a mistake is one thing. Covering it up is another.
『24』で、ジャックは間違いを隠蔽したトニーを許さない
24 [Credit: Fox]

『メンタリスト』から

刑務所に潜入調査中のリズボン。同房囚人と仲良くなると、彼女は身の上話をし出します。大金を人里離れた隠れ家に隠している彼女は、そこの生活はwildだと言います。リズボンはというと、「wildなのは分かったけど、シャワーがないのは別の話ね」と乙女心を垣間見せます(笑)

リズボン: Wild is one thing… no shower is another.
『メンタリスト』で、リズボンは刑務所へ潜入調査に入り、目当ての人物と近づきます・・・
The Mentalist [Credit: CBS]

なお、字幕を調べた限りでは、「A is one thing and B is another」とandで結ぶパターンは出てきませんでした。会話では上の『メンタリスト』のように、少し間(…)を置く感じですね。

「A is one thing, Bを具体的に説明」のパターン

更に、今回調べていたら、単にanotherで済まさずに、anotherの中身を具体的に言うパターンも多くあったので紹介します。

『ウォーキング・デッド』から

シェーンはアンドレアに銃の撃ち方を教えます。そこで、「紙のターゲット is one thing」と言ってから、「こちらを殺そうとしてる者を仕留めるのは違う」とanotherを使わず言います。具体的で分かりやすいですね。

シェーン: Paper targets is one thing. Easy to hit what ain’t moving. But taking down an assailant, one that’s trying to kill you, it’s different.
『ウォーキング・デッド』で、シェーンはアンドレアに銃の撃ち方を教える
The Walking Dead [Credit: AMC]

『アンブレラ・アカデミー』

『アンブレラ・アカデミー』で、時間旅行できる5号のセリフがカッコよかったので紹介。「空間をジャンプする is one thing」と言ってから、「時間をジャンプ is a toss of the dice」です。つまり、サイコロを投げるようなもので、ランダムなんですね。ここもanotherでなく、具体的に説明しています。

You know, jumping through space is one thing, jumping through time is a toss of the dice.
『アンブレラ・アカデミー』で、5号が時間旅行をサイコロを投げることで例える
The Umbrella Academy [Credit: Netflix]

最後に

今回は「A is one thing, B is another」という構文についてでした。最初の2例はいずれも、Bの方が行き過ぎているのが分かります。AはOKだけど、Bはちょっと・・・というニュアンス。

また、anotherを具体的に説明するパターンも見てみました。我々日本人はすぐ構文にとらわれがちですが、相手に分かりやすくなるなら臨機応変に対応したいものですね。結局、言語はコミュニケーションツールにしか過ぎません。

いずれにしても、コツをつかめば何にでも使える便利な表現です。

なお、私もこの構文の例を考えてみましたが、今すぐ思いついたのが、

  • 医療技術の発展 is one thing, 動物実験 is another
  • 彼女が数年居ない is one thing, NGSB is another(NGSB=no girlfriend since birth.)

とかです(笑) 応用次第で、ライティングにスピーキングに活躍できること間違いなしです。おっと、もう一つ閃きました:

「A is one thing, B is another」構文を知っている is one thing, 実際使う is another

うまく落ちた(?)ところで、それでは〜