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シェイクスピアが作ったり有名にした英語表現はたくさんありますが、海外ドラマで比較的使われるものを、これから数回に分けて紹介していきたいと思います。 ネタ元は以下のサイトです(coinは新語を作るという動詞)。

Words and Phrases Coined by Shakespeare

第一回目は、into thin air。「消える」時の定番表現。thin airはどこかわからない場所の意味だそうです。でも、個人的には、ドラえもんの四次元ポケットっぽいイメージなんですけどね。だって四次元ポケットに入れたら、この三次元からは跡形もなく消え去るわけですから。 それでは、海外ドラマでの使われ方を見ていきましょう。

『ホテル・バビロン』から

シェイクスピアと言えば英国なので、イギリスのドラマからまずは引用。次の『ホテル・バビロン』のシーンでは、ホテルの従業員が怪談話をして暇をつぶしている所。ホテル清掃員が所持品もそのままに跡形もなく消え去ったという話です。

有名な都市伝説に、洋服を試着している友達がなかなか出てこなくて、試着室を開けたら居らず行方不明とかありますよね。この清掃員もそんな感じかな。ちなみに、ここで使われているthisは 導入の This - ドラマの中の英語 です。

Okay, a few weeks ago, there's this cleaner. Does the nightshift, disappears. Leaves his wallet, all his personal items in his locker. His family never hear from him again. He's vanished into thin air, until now.

Hotel Babylon/Season 1/Episode 6

『ギルモア・ガールズ』から

クリストファーがギルモア家を訪れると、そこには妙齢の美女が。しかも話題が結婚観などばかり。クリストファーは、嵌められた(set up)と悟りますが、時すでに遅し。ローレライに今すぐこの場を逃げ出したい旨を打ち明けると、ローレライはつれなく、正面ドアから出ていけばいいじゃん、とあくまで他人事。そんな事したら相手を傷つけると思いやるクリストファー。ローレライは、だったら跡形もなく消え去ればより礼儀正しいと、不可能なことを提案し、茶化します。ここのwayは強調の意味の副詞ですね。学校ではmuchを習いますが、wayの方がよく出てくるイメージです。

ローレライ: You can just walk out the front door.

クリストファー: If I just leave, I'll insult your parents.

ローレライ: But vanishing into thin air- way more polite.

Gilmore Girls/Season 6/Episode 22

『LOST』から

The Othersが放棄したキャンプ地を調査したサイード。50人は収容できる大きさですが、全員痕跡もなく姿を消していました・・・。

サイード: I've checked all the houses. Everyone's gone. No weapons, no trail. It's like 50 people disappeared into thin air.

Lost/Season 3/Episode 15

最後に

into thin airは「消える」を強調する意味合いで、動詞vanishやdisappearと相性のいい表現。でも面白いことに、シェイクスピアが当時使った動詞はmeltなんですよね(前述のリンク先)。ただ残念ながら、海外ドラマで動詞meltを使った例はなかったので、記事の題名はinto thin airのみにしてあります。こういう意味を全く変えずに小洒落た感じを出せる表現を知ってると、ライティングなんかがかなり簡単になります。vanishを使う時に、into thin airを使うかどうか、単語数を考慮して選択できますからね。

(追記)↓続きです。 www.serendipity.page