(追記)シーズン2決定です!


『After Life/アフター・ライフ』の番組宣伝ポスター
After Life [Credit: Netflix]

『After Life/アフター・ライフ』の感想

『After Life/アフター・ライフ』はイギリス産のネトフリオリジナルドラマ。事前情報なしに見始めたら、これが結構面白かった。

主人公のトニーは小さい町の新聞記者。最近妻を亡くして自暴自棄になっている。人生に絶望し、後は野となれ山となれとばかり、飼い犬と共に勝手気ままに生きる人生。このミニドラマでは、その彼の成長(?)を描くんだけど、このトニーが本当にいけ好かない野郎なんです。序中盤エピソードでの傍若無人振りが半端ない。相手が子供だって自分の実の父親だって取材対象だってお構いなし。いつ死んでもいいと人生諦めているので、360度全方向に呪詛という名の糞を投げつける感じ。しかも、周りがそれを許しているのが信じられない。特に職場の奴等。自分の近くにトニーがいたら、間違いなくグーで殴ってると思うんだけど(笑)

『After Life/アフター・ライフ』で、トニーの職場の様子
After Life [Credit: Netflix]

英単語に「asshole」というのがありますけど、意味はまさにこのトニーのこと。多分、トニーのキャラ設定資料には一言assholeとだけ書いってあったはず(笑) あ、このドラマは英国だからarseholeかな。

そんな彼が各エピソード毎に人としてちょっとずつ成長していくんだけど、生前の妻とのビデオとか見る限り、この人元々arseholeだったのは間違いない。というのも、妻に対して色々なprank(いたずら)を仕掛けてるんだけど、常識的に行き過ぎの感じのものばかり。妻が仕事から帰ってくるのに、ドアの上に水が入ったバケツを仕掛けておくとか、個人的にかなり信じられないんだけど。そういう意味では、enabler(黙認する人)は妻だったのではと感じました。

『After Life/アフター・ライフ』の英語

ストーリー的には、恋バナもあったりして、短い割にはかなりきれいにまとまっていますし、音楽の使い方も相当うまい印象でしたが、ここではトニーの英語をピックアップしたいと思います。だって、このBlogは結局のところ英語勉強のBlogですからね。

まず、イギリス英語とかは置いておいて、トニーの英語は相当汚いです。罵り用語の総合商社と言っても過言ではない。fuckはもちろんのこと、cuntだってお構いなし。それがよく現れているのが、次の街角で恵まれない子供のための募金をしている若者に対峙した場面

トニー: don’t give me this altruism shit. You’re not a volunteer. Everyone knows you’re getting paid. You don’t give a fuck about the charity or poverty-stricken kids. You want money. I’d effectively be paying your wages, you wiry, little twat.
『After Life/アフター・ライフ』で、街角募金で呪詛の言葉を投げつけるトニー
After Life [Credit: Netflix]

と言った感じ。かなり辛辣な言い回しなのが分かるかと思います。また、単に罵っているだけでなく、新聞記者だけあって結構論理的なのも興味深い点。

また、次のシーンでは、無神論者のトニーとクリスチャンの同僚女性が神について話しています。ここもかなり煽ってますね。「神を信じるか?」という質問に、「which one?」と言ってから、いろんな宗教や神話での神を挙げて、「君がそれらの神を信じないのと同様に、僕も君の神を信じない」と〆るトニー。ここだけ切り取るとクールなトニーですが、arseholeなのはお忘れなきように(笑) ちなみに、現実でこういう言い回しは争いの種ですので避けたほうがいいでしょうね。トニーは妻が死んで落ち込んでいるという免罪符があるので許されている感じ。

同僚女性: How can you not believe in God?

トニー: Which one?

同僚女性: What do you mean?

トニー: Well… Zeus?

同僚女性: Who?

トニー: Greek god. Or Ra, or Ganesh?

同僚女性: No, not those ones, the real one in the Bible.

トニー: Yahweh.

同僚女性: Just God!

トニー: Well, you know how you don’t believe in all those other gods I mentioned? That’s how I don’t believe in yours.
『After Life/アフター・ライフ』で、トニーは職場の同僚と神について議論
After Life [Credit: Netflix]

ここまで書いて気づきましたが、そういえばトニーはbloodyは使っていなかったな。ブリティッシュだと必ず出てくるのに。いずれにしても、ブリティッシュな卑語を学びたい人にはオススメかもね(笑)

まあ、この海外ドラマは結局のところ、主人公トニーのことを好きになれるかどうか、成長するまでのarsehole具合に耐えられるかなので、上記セリフを読んでも嫌悪感を催さないのなら、見てOKなドラマかと思います。自分的にはかなり好きな部類かな。

ドラマ開始すると、トニーの周りに女性が複数人現れるので、その誰と仲良くなるのか予想しながら見るのも面白いかも知れませんね。それでは〜