「Here’s the Thing」の意味

今回見ていくフレーズは「Here’s the thing」。直訳は「ここに事がある」ということですが、何か言い出しづらいことを切り出す際の前置きとして日常会話でよく登場します。

here's the thing

説明の要点の前に来る。

Precedes the key point of an explanation.

悪い知らせなどはいきなりは切り出せないんですよね。相手にショックを与えてしまうというか。それで、緩衝材的な役割としてHere’s the thingが出て来るんだと思います。

例えば、カップルの片方が別れ話を切り出したいとして、いきなり「別れよう」では唐突すぎますよね。そういった時に、Here’s the thingを使うと、これから改まった話をするというシグナルになるんですね。だから逆に言えば、Here’s the thingを言われた方は何が来るんだと構えられるんです。

『ビッグバン★セオリー』から

そんなHere’s the thingの例としては、『ビッグバン★セオリー』でペニーがネトゲー中毒になる回がありました。レナードは、ペニーがネトゲー中毒になってる事実を、回りくどく言います。本人にショックを与えないように・・・。

レナード: Here’s the thing. Sometimes people, good people, start playing these games and they find themselves, through no fault of their own, kind of… addicted.
『ビッグバン★セオリー』で、レナードはペニーがゲーム中毒になっれることを伝える
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『ブレイキング・バッド』から

『ブレイキング・バッド』では、ジェシーが今日お金を支払えないのをHere’s the thingで言ってました。今週利子付きで払うと言いますが・・・

ジェシー: Here’s the thing. I can’t pay you today. But I can pay you this week, all right? Seventeen fifty? We’ll make it 1750, for, like, you know, interest.
『ブレイキング・バッド』で、ジェシーは今日支払いが出いないことを述べる
Breaking Bad [Credit: AMC]

『ボージャック・ホースマン』から

最後は、アニメ『ボージャック・ホースマン』。なんと、このフレーズにそのものについての会話がありました。

ボージャックと旧友の男がフラッシュバックでバーテンダーのバイトをしてる場面。二人は、Here’s the thingというフレーズの愚かさについて話します。曰く、「言いたいことがあるならHere’s the thingの前置きなしで直接言え、コンセプトを導入する必要はない」。正論・・・でしょうか?(笑)

男: Ugh. I hate when people say that “Here’s the thing.”
ボージャック: It’s so stupid.
男: Just say the thing. You don’t need to introduce the concept that there’s going to be a thing.
『ボージャック・ホースマン』で、ボージャックと旧友は「Here's the thing」というフレーズの愚かさについて話す
BoJack Horseman [Credit: Netflix]

最後に

ということで、今回はHere’s the thingというフレーズを見てみました。

改まってこんなフレーズ使うくらいなので、この後に出る話題は通常、言い出しにくかったり、重要だったりしますね。 ま、このフレーズを言われた時は、集中して聞いたほうが良さそうです。

英語リスニングテストの会話で問題に出るところも、Here’s the thingと前置きしてくれると個人的に嬉しいのですが(笑)

それでは、また〜


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