「プチプチつぶし」と私

今回は「プチプチ」こと気泡緩衝材について。いきなりの疑問、

どうして我々は「プチプチつぶし」に中毒になるのでしょう?

自分の場合、小学校低学年あたりに「プチプチつぶし」にハマって、家に届けられる段ボールがある度に、弟と競って「プチプチ」を探し、あったら無心で潰していた記憶があります。数ヶ月で飽きたと思いますが、あの時はマインドコントロールされていたと言っても過言ではないくらい熱中していました(笑)

この「プチプチつぶし」、実は世界的に行われていることなんですよね。英語だと、プチプチの名称が「bubble wrap」ですので、それで検索すれば、世界各国の反応が見られます。日本語の正式名称が「気泡緩衝材」で英語名称が「bubble wrap」ですので、「泡」に見立ててるのは同じですね。なお、この記事では呼称を「プチプチ」で統一します。なんか登録商標になってるようですが、私自身がそう呼んでましたので。

「プチプチつぶし」の海外番組での例

さて、このブログ的には、海外番組から「プチプチつぶし」の例を紹介するべきでしょうかね。

『ビッグバン★セオリー』から

次の『ビッグバン★セオリー』では、停電になり「シェルドンと一緒」を取るか「ペニーとワインとプチプチ」を取るか迫られたレナードが、ペニーに付いていった場面(当然)。乾杯は「ワインとプチプチに」します。

レナード: To wine and bubble wrap.
『ビッグバン★セオリー』で、停電になり、ペニーの部屋に避難するレナード
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

『名探偵モンク』から

『名探偵モンク』では、事件現場にあった「プチプチ」を潰し始めたモンクはそれを止められません。なにせ、OCD(obsessive-compulsive disorder、強迫性障害)ですからね。一度潰したが最後。このシーンがすごいのは、モンクは最初から最後までずーっとプチプチを潰しているところ(笑) そして、警部までプチプチ潰しに参加し、ついには周辺にいる警察官まで応援に呼んで潰します。「雑巾絞り」潰しはご法度ですねw

警部: Hey, Chandler, Roberto, get over here. Start popping these.
『名探偵モンク』で、現場にあったプチプチつぶしにハマるモンク
Monk [Credit: USA Network]

なお、ここで「プチプチを潰す」を意味する動詞「pop」が使われていますが、「ポン、パン」という弾ける音だからですね。その意味では、泡が弾ける炭酸飲料が「pop」である理由もうなずけますね。

炭酸飲料のイラスト

いずれにしても、この「プチプチつぶし」は世界的な現象なんですよ。問題は、「なぜ人々はプチプチつぶしに夢中になるのか?」ですね。

「プチプチつぶし」の中毒性はどこから?

Wikipediaの「プチプチ」記事

まず、Wikipediaを当たってみます。すると、あの潰れる際の弾ける音が源と言ってますね。

Bubble wrap

楽しみ

「プチプチ」は押して潰した時に満足させる弾ける音を出すので、しばしば楽しみの源として使われる。

Amusement

Since bubble wrap makes a satisfying popping sound when compressed and ruptured, it is often used as a source of amusement.

確かに、潰そうとして音がならなかった時のがっかり感は半端ありませんから(笑)、これは自分の経験と照らし合わせても正しそうです。

Clarion Ledgerの「プチプチ」記事

もう一つ見つけたのが、次の記事。「プチプチの中毒性」というそのまんまのタイトル。この記事の中で、「プチプチの中毒性」に関する学術論文の実験内容が紹介されていました。2つの説明があります:

Bubble Wrap addicting

1)2枚のプチプチシートを潰すよう指示された人々は実験後、実験を開始前よりも落ち着き、そして頭の回転が活発化する。彼らはプチプチを潰さないグループよりも、高い冷静さと機敏さにあることを実験後報告した。

2)もう一つの理由は、人間のストレスへの対応と関係がある。指でコツコツ叩いたり、足を貧乏ゆすりしたりするような小刻みで神経質な動き(そして、もちろん「プチプチつぶし」も!)は筋肉の緊張を和らげる方法であり、それがストレスを感じることを減らす手助けとなる。

1)those who got to pop two sheets of Bubble Wrap felt once calmer and more awake after they were done than before they’d started; they reported higher levels of calmness and alertness than a group that was not granted popping privileges.

2)it has to do with a very natural, human response to stress. It could be that little nervous motions like finger tapping or foot jiggling — or Bubble Wrap popping! — are ways of releasing that muscle tension, which helps reduce the feeling of stress.

つまり、プチプチにより落ち着き脳も活性化するのと、ストレス低減効果。でも、自分の場合は小学校の低学年の時にハマったので、どちらもあまりピンときませんね。

India Timesの「プチプチ」記事

そこで、更に深堀りすると、また別の記事にぶち当たりました。上記記事と内容が一部被ってますが、違ってる箇所があったので、それを抜粋します:

Why do people feel so satisfied popping bubble wrap? This is the science behind it

3番目のより興味深い説明は、「プチプチつぶし」が脳のオーガズム(絶頂感)に関係していることだ。あなたが「プチプチつぶし」をすると、脳みそは満足感を得るのだ、ちょうどセックスしたときのように。

と言っても、満足感は異なる。「プチプチつぶし」の場合、脳は「幸福」ホルモンを放出するよう信号を送る。科学者は、これを先祖的中毒と呼ぶ。というのも、古来、人間は何かに対して支配権を持った時、満足感を得ていたからだ。我々の猿の先祖は虫を潰したし(ちなみに、今でも我々はやる)、そして「プチプチつぶし」で我々も同じことをするのだ。

REASON NUMBER THREE: A third and more interesting explanation for bubble wrap popping is related to brain orgasm. When you pop bubble wrap, your brain gets satisfaction just like when you have sex.

This satisfaction is different, however, it gives the brain a signal of releasing the happy hormone. Scientists have also termed it as ancestral addiction. This is because as humans we are used to gratification or contentment when we get power over something. Our ape ancestors used to squish insects (which we still do, by the way) and we follow the same by popping bubble wrap.

ということで、こちらの説明は、「支配権を持った時の満足感」説。猿の虫潰しの説明を読んだ瞬間に、子供の時蟻を踏みつけたことがあったのを思い出しました。うーん、この説明は小学生だった私に対しては正しそうな感じです。

とは言っても、落ち着いたり、ストレス発散になることも実験結果から事実なので、ストレスに置かれてる人は、「プチプチつぶし」を無心にやってみるのもいいかもね。英語の試験前とかどうかな? 音で怒られますかね?(笑)

いずれにしても、今度遠くから「プチプチつぶし」の音が聞こえてきたら、それは誰かがストレス発散してるのかもしれません。それでは〜