Salagadoola menchicka boola

Bibbidi-bobbidi-boo

It’ll do magic believe it or not

Bibbidi-bobbidi-boo

「believe it or not」の意味とは

believe it or not」は学校の英語の授業で習った記憶があります。確か「信じられないかもしれないが」と日本語訳はなっていました。

そして、信じられないかもしれませんが、英語でもその意味なのです(笑)

believe it or not

(イディオム的)これは驚くかもしれないが本当だ。

(idiomatic) This may be surprising, but it’s true.

つまり、believe it or notと前置き(後置き)して話し手が語る表明は、一見信じられないかもしれませんが、実は本当なのです。

「believe it or not」の意味が分からなくなった

さて、そんな大昔に習った英語のことなどすっかり忘れて、海外ドラマを見続けた私は、いつの間にかbelieve it or notが特別なフレーズだとは思わない体になっていたのです。

というのも、英語では「○○ or not」というパターンは非常にありふれているからです。例えば、like it or notと言えば、「あなたが好きでも嫌いでも」の意味。学校に行きたくない子供に親が「like it or not、義務教育なんだから学校に行かなくちゃいけないんだからね」とか使えます:

like it or not

(口語)聞き手がそういう現実であって欲しくないと思っても、実際はそれが現実で、変えることはできないことを示すのに使われる。

(informal) Used to indicate that something is the case and cannot be altered even if the listener does not want it to be the case.

つまり、相手が好きでも嫌いでも、現実はその気持ちとは関係なく進行していくのです。知ったこっちゃないんです。

そこから類推すると、believe it or notの意味は「相手が信じようが信じまいが、本当だ」ということになりますね。

『ビッグバン★セオリー』での「believe it or not」

そこで、『ビッグバン★セオリー』からbelieve it or notが出てくるシーンを集めてみました。

素敵なドレスを見つけたエイミーに、ペニーはbelieve it or notで私のプロムドレスと言います。

エイミー: Ooh. What’s this?
ペニー: That, believe it or not, is my prom dress.
『ビッグバン★セオリー』で、
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

シェルドンは、Believe it or notで、彼女のエイミーが自分をハッピーにしようとしてくれてると話します。

シェルドン: Believe it or not, Amy has embarked on a campaign to increase my feelings for her by making me happy.
『ビッグバン★セオリー』で、シェルドンはレナードと3次元チェスをする
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

エイミーはbelieve it or notでスチュアートの話が分かるとします。

エイミー: Stuart, believe it or not, I understand.
『ビッグバン★セオリー』で、エイミーはスチュアートの話を聞く
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

ペニーはレナードにシェルドンの喋った内容の意味を聞きます。レナードはBelieve it or notで個人的な成長と、シェルドンが話がそこまで酷くなかったことを示唆します。

ペニー: What was that?
レナード: Believe it or not, personal growth.
『ビッグバン★セオリー』で、レナードはペニーの話を聞く
The Big Bang Theory [Credit: CBS]

というように、全てbelieve it or notは、予想外(と話し手が信じる)の表明に添えられていますね。

believe it or not日本語訳との邂逅

そんな折、believe it or notの昔習った日本語訳に偶然遭遇したんです。

すると、昔こんな事暗記したよなーと懐かしみつつも、「信じられないかもしれないが」の訳に相当違和感を感じてしまった。というのも、そこには必ず意外性があるので最終的には「信じられないかもしれませんが」になるのでしょうが、元々は「相手が信じようが信じまいが」が根底にあるように感じられるからです。

多分、自分の違和感の源は「信じられないかもしれないが」と訳してしまうと、直訳でなく意訳になっちゃうからでしょうか。語り手の気持ちを汲んで先回りして訳してる感じ。

しかし、自分の違和感とは裏腹に、オンラインの英語辞書は意訳ばっかり。

believe it or not

誰かが何かについて、一見そうではないがそれが真実であることを話す時に使われる

said when telling someone about something that is true, although it seems unlikely

believe it or not

聞き手が驚くことを示唆して使われる

used to suggest that the listener will be surprised

believe it or not

あなたがちょうど言ったことはびっくりすることであることを強調してbelieve it or notを使える。

You can use believe it or not to emphasize that what you have just said is surprising.

と思ったら、ようやく自分好みの直訳にご対面(笑) やっと自分の違和感が救われた。The American Heritage® Dictionary of Idioms素敵すぎる。。

believe it or not

それは真実だ、君が同意するかどうかに関わらず。

It’s true, whether or not you agree

最後に

今回は「believe it or not」の意味がわけ分からなくなったお話でした。日本語で「信じられないかもしれないが」と「信じようが信じまいが」はどちらも似た意味かもしれませんが、その間には少なからず距離がある気がするんです。まあ、いくつかの英語辞書ではbelieve it or not自体がイディオムとされているので、直訳とちょっと違う意味を帯びるのは全く問題ないんですけどね。

今回believe it or not訳に感じた違和感は相当個人的なものなので、分かってもらえる可能性は低いとは思いますが、このように海外ドラマを通して英語を勉強していると、昔習ったことに逆に違和感を覚えるようになるってのも面白いのかもしれません。それでは〜