人間関係も化学?! 「Chemistry」が持つ驚くべき意味とは?
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「Chemistry」の意味
「chemistry」は教科の「化学」という意味で学校では習ったかと思いますが、意外や意外、人の間の「相性」という意味でも日常会話では登場します:
chemistry
(口語)二人が相互に惹かれること。
(informal) The mutual attraction between two people; rapport.
だから、「we have chemistry」と言ったら「二人はいい感じ」というわけ。二人の間に何か目に見えない化学反応があるということなんでしょうか?

相性「Chemistry」の語源(追記)
ちょっと気になったので、この二人の間の「相性」の意味での「chemistry」の語源を調べてみることに。
まず重要なことは、英単語「chemistry」自体は「錬金術(alchemy)」から派生してること。これはケミストリー、アルケミーの「ケミ」の部分が共通なので分かりますね。
それを踏まえて、Online Etymology Dictionaryを見ると
chemistry (n.)
「衝動的に惹かれ合うこと、親近感」という比喩的な意味は、より早い使用が確認されている、錬金術の意味から。
The figurative sense of “instinctual attraction or affinity” is attested slightly earlier, from the alchemical sense.
ということで、そもそも化学の「chemistry」のもっと前、「錬金術」自体に比喩的に「二人の相性」の意味での使用例があって、それが「chemistry」という単語が作られた時に一緒に持ち込まれたということでした。
海外ドラマでの「Chemistry」
それではこの「chemistry」の海外ドラマでの使われ方を見てみましょう。
フレンズ
フィービー: The chemistry thing for us too.
![Friends [Credit: NBC] 『フレンズ』で、モニカとフィービーから同時に別れを告げられる新米シェフ](friends-chemistry.webp)
『フレンズ』のエピソードでは、モニカの職場の新人シェフのティムとフィービーが付き合い始めますが、エピ最後でやっぱ違うと別れを切り出す場面。モニカも「chemistryが違う」と首を通告します。モニカがクビにするのに使ったchemistryを「私もそれそれ」とパクるフィービーがここの笑いどころ。この「thing」は分かってない時に使う表現で「○○ってやつ」の意味ですね。
glee/グリー
![Glee [Credit: Fox] 『glee/グリー』で、カートはレイチェルの相談に乗る](glee-chemistry.webp)
カートはレイチェルからブレインのことで相談を持ちかけられます。二人の間にないのは「ケミストリー」と単刀直入に言い切るカート。
マイケル・ジョーダン: ラストダンス
![The Last Dance [Credit: Netflix] 『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』の監督の記者会見](the-last-dance-chemistry.webp)
『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』では、ブルズ監督に記者が質問。「backstabbing(裏切り)がありながらチームのchemistryが良かったことに驚いているか?」とド直球です(笑) 普通、裏切られたらchemistryはなくなりますからね。
ビッグバン★セオリー
ハワード: She’s not a scientist.
ラジ: Uh, then explain to me why she has chemistry with literally everyone.
![The Big Bang Theory [Credit: CBS] 『ビッグバン★セオリー』で、ラジは食事しながらメリル・ストリープについて話す](tbbt-chemistry.webp)
科学番組ホストだったプロトン教授を懐かしむメンバー。ラジがプロトン教授の代わりは女優のメリル・ストリープと言い出します。ハワードの「科学者じゃない」というツッコミにも「だったら、なんで彼女はケミストリーが誰とでもあるんだ?」とボケなのかマジなのかよく分からないことを言います(笑) ここは「chemistry」の持つ「化学」の意味と「相性」の意味の両方が出てたので紹介です。
最後に
今回紹介の「chemistry」には二人の間の「相性」という意味がありました。
覚え方は『ブレイキング・バッド』のウォルターとジェシーがするのが「化学」のchemistryで、『ビッグバン★セオリー』のシェイミーにあるのが「相性」のchemistryです。って却って分かりづらいかな(笑)
なお、語源は錬金術で、ラテン語の錬金術の時点で比喩的に「相性」の意味があったのは面白いですね。二人の間に錬金術的反応があると言う感じでしょうか。
なお残念ながら、サイエンスの化学とは違い、馬が合うかどうかはロジカルに行かないのが世の常ですけどね。それでは〜
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