「The Jury’s Still Out」の意味

jury」は裁判時結成される一般人からなる陪審員団のことですね。彼らの目的は裁判に参加し、検察・被告の陳述を聞いて、最終的に被告の有罪無罪の判決を下すことです。

『ニューオーリンズ・トライアル』で、弁護士ローアの後ろに陪審員
Runaway Jury [Credit: 20th Century Fox]

通常、全ての法廷討論が終わると、陪審員は別の部屋で隔離され、時には何日にも渡る討議を繰り返し、判決を出す必要があります。つまり、被告や傍聴人等関係者からすれば「the jury’s still out」ということは「まだ判決が決まってない」ってことですね。だって、まだ別の部屋にいるってこと。判定は下されていないんです。

こう聞くと「jury is still out」の意味を取るのは簡単ですが、初見だと推測は難しいですね。特に陪審員裁判のシステムを知ってないと。

海外ドラマでの「The Jury Is Still Out」の例

ということで、海外ドラマでの実際の使われ方を見ていきます。

ギルモア・ガールズ

ローレライはロビーにあるパンフレットが整理整頓されてないのが気になり、部下のロブに気をつけるよう言いますが、そもそもここにパンフレットが必要か自問自答。「判決はまだ先」とjury is still outを使って言うや否や、陪審員が戻ってきたと言い直し、結局パンフレットを撤去し始めます(笑) ローレライらしいですね。

ローレライ: Oh hey Rob, I want to keep these brochures nice and neat in the rack here, none of them askew. Otherwise, it gives the place that “we’ll leave the light on for you” feel that we’re desperately trying to avoid.

ロブ: Yeah, I checked it.

ローレライ: That is, if we ultimately decide that we don’t mind having brochures here in the lobby. The jury’s still out on that. You know what? Jury’s back. Brochures are out.

ローレライ: The jury’s still out on that. You know what? Jury’s back.
『ギルモア・ガールズ』で、ホテルのフロントの雑誌を整備するローレライ
Gilmore Girls [Credit: The WB]

名探偵モンク

モンクは学校に捜査に来ますが、シラミがでたと聞いてビビります。助手のナタリーから怖いのかとからかわれると、「Jury is still out」と言って、シラミの恐ろしさの判決はまだ下されていないと言わんばかりです(笑)

ナタリー: What are you afraid of? Cooties?
モンク: Don’t laugh. Jury is still out on cooties.
『名探偵モンク』で、モンクはシラミを怖がる
Monk [Credit: USA Network]

マーベラス・ミセス・メイゼル

ミッジが酒場で知り合いの男性と話すシーン。テーブルにグラスが複数あるのを見た男性は「デートか?」と問います。ミッジは「Jury’s still out」で、デートかどうか判断はできていないようです(笑)

男: I’m noticing more than one glass here.
ミッジ: I’m with someone.
男: A date?
ミッジ: Possibly. Jury’s still out.
『マーベラス・ミセス・メイゼル』で、ミッジは酒場で飲む
The Marvelous Mrs. Maisel [Credit: Amazon Prime Video]

最後に

今回紹介したのはイディオム「The jury’s still out」。元々法廷用語ですけど、一般的にまんべんなく使われる感じです。ちなみに、ローレライの「陪審員が戻ってきた」はこのイディオムを逆手に取った面白い言い回しですね。判決が出たってこと。「〜について」と説明をつける時はonが主流かな。

海外ドラマの字幕では、口語のためか95%が短縮形の「jury’s」ですね。しかし、冠詞「the」の有無については半々に分かれました。その点では「The jury’s still out」なのかもしれません(笑)

いずれにしても、皆さんもどう転ぶかわからない事項があったら、このイディオムを使ってみてはいかがでしょうか? それでは〜